ウマ娘のサイバー藤田社長が矢作師と挑む世界一、まずはシンエンペラーでジャパンカップ制覇
「最強の2人」である。サイバーエージェント社長で馬主でもある藤田晋氏(51)はこの秋、フランスの凱旋門賞(G1・芝2400メートル)にはシンエンペラー、アメリカのブリーダーズカップ(BC)クラシック(G1・ダート2000メートル)にはフォーエバーヤングという2頭の3歳有力馬を送り込んだ。 フォーエバーヤングは一時1番人気に支持された(筆者撮影) それぞれ、芝とダートの世界最強馬決定戦。この2頭を管理しているのは「ハットマン」こと、世界の矢作芳人調教師(63)だった。2人は11月24日のジャパンカップ(東京競馬場、G1・芝2400メートル)には凱旋門賞帰りのシンエンペラーで挑む。
■「ケンタッキーダービー大接戦」だけでは終わらなかった まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。今や、世界の競馬カレンダーにすっかり溶け込んでいる藤田×矢作コンビ。矢作調教師は藤田オーナーについて「競馬のことに関してはわたしを信頼してくれ、口出しをしない。勝負勘があり、合理的でバランス感覚に優れた人。だからビジネスも投資も成功しているのでは」と話す。おそらく、大局観やチャレンジ精神といった部分で重なり合うのだろう。
そんな名コンビが手掛けるフォーエバーヤングは2月のサウジダービー、3月のドバイUAEダービーと中東を転戦。ここで連勝すると、アメリカ東海岸へ飛び、5月のケンタッキーダービーへ。150年の歴史を持つこのレースは「スポーツの中で最も偉大な2分間」と言われ、勝てば、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が達成した「54-59」に匹敵するぐらいの快挙になるところだったが、ゴール前は肉弾戦を演じて大接戦の3着だった。
その後は10月、東京・大井競馬場でのジャパンダートクラシックを圧勝し「国内を制圧」。11月、再びアメリカに渡り、西海岸カリフォルニア州のデルマー競馬場で開催されたBCクラシックに参戦したのは周知のとおりだ。 ちなみにフォーエバーヤングの父は矢作調教師が管理したリアルスティール。母はフォエヴァーダーリング、母の父Congrats(コングラッツ)という血統で2022年のセレクトセール1歳において、藤田オーナーに9800万円(税抜き)で落札されている。