ウマ娘のサイバー藤田社長が矢作師と挑む世界一、まずはシンエンペラーでジャパンカップ制覇
そんな中、一時現地でも1番人気(歴史的快挙で最終は2番人気)となったフォーエバーヤングは試練と思われた最内枠から好発を決め、好位をキープし、上々の行きっぷり。初ダートに戸惑ったシティオブトロイが早々と脱落して場内がどよめく中、勝負圏をキープ。最終コーナーで一時4番手に下がりながらも最後は盛り返して3着に入った。 結局、外から追い込んで勝ったのは5月のケンタッキーダービーで違反スレスレの行為で2着だった因縁の相手シエラレオーネ。2着も実力馬フィアースネスで3歳勢が上位を独占した。
■リベンジ誓う矢作師、藤田氏は傘下ゲーム会社が存在感 「デルマソトガケが行くのはわかっていたので、ほぼ作戦通りに運んだ。この状態で勝てないのか」と悔しそうに顔をしかめた矢作調教師は坂井瑠星騎手とともに藤田オーナーに報告した。 その後、メディアの前に現れると矢作調教師は「力を出し切れて、すがすがしい気持ち、やり切った思いはある」としながらも「ケンタッキーのあと、この馬を世界一にするために、ここに来た。日本に敵はいない。もう一度、世界一を取りに行く。父のリアルスティールも晩成だった。この世代の3歳は強いが、トップに立ちたい」とリベンジを誓った。
一方の藤田オーナーはビジネス面でも大きな話題を提供した。それは「ウマ娘」で知られるサイバーエージェント傘下のCygames(サイゲームス)がBCスプリントのレーススポンサーになったことだ。 サイバーエージェント社長であり、サッカーJリーグのFC町田ゼルビアのオーナー、麻雀Mリーグのチェアマンなどマルチな顔を持つ藤田氏。 2021年にJRA(日本中央競馬会)の馬主資格を取得してからは「ウマ娘」の大ヒットもあり、個人でも競馬界に還元している。この10月はついにアメリカのブリーダーズカップ協会とパートナーシップ契約を締結した。
「冠レース」になったことで、スターティングゲートや出走馬のゼッケンには社名があしらわれ、さらに現地映像では「ウマ娘」のCM動画が流れたり、ゴール板周辺やウイナーズサークルにもCygamesのボードが掲げられた。 Cygamesの担当者は「アメリカ競馬の祭典に参加でき、うれしい」と話す。今後は英語版「ウマ娘」のサービスを控えており、その大きな足がかりになったようで、ネット上でも大いに盛り上がっていた。主催者側も大歓迎で「また来年も多くの日本馬にきてほしい」と話している。