【単独】「ディズニー越え」に本気のGENDA会長、ハズレすぎた「配属ガチャ」とは
海外展開のカギは「マックとスタバ」だった?
──2008年に取締役、2013年にはイオンファンタジーの社長に就任され、2015年には映画館事業のイオンエンターテイメントの社長までされていました。 片岡氏:海外事業部長時代、マレーシアとタイは立ち上げから自由に担当させていただいていました。当時言っていたのは「マックとスタバが入っているモールに入れ」です。スタバが入らないモールというのは高所得層が来ない。ただ逆にマックが入らないということは中間層や低所得者が来ないモール、ということでそれも制約になります。だからこの2つが入っているモールを狙うとだいたいゲームセンターの需要が底堅くある結果になりました。社長に就任してからもベトナム、インドネシア、カンボジアと展開していきましたね。また、イオンモール自体が1件も出ていないフィリピンにもイオンファンタジーが先鞭(せんべん)を付けて先に出ていきました。 そんなこんなで国内約500店舗、海外約280店舗を実現していった末に2015年にイオンファンタジーは店舗数、売上で世界一のゲームセンターになりました。 ──一方で、アジアの中でも結構結果が違うなとも感じます。直近ですと中国がかなり赤字になっていて、タイも厳しめです。マレーシアやベトナムなどほかの国が好調な反面、結構中身が違います。 片岡氏:やはりこういった事業は「スピードとタイミング」が重要になります。中国は先行して進出できていた時期は良かったのですが、だんだんショッピングセンター自体がオーバーストアになってきて、しかもそのショッピングセンターの中に入居するゲームセンターもどんどんオーバーストアで競争がされるようになっていったのです。いわゆる供給過剰ですね。アジアだからといって全部十把一絡げにいけるわけではありません。私が担当していたときとは違い、今は今の課題に直面していると思います。 ──2015年、片岡さんがイオンファンタジーで「世界一のゲームセンター会社」を実現しました。「エンタメで世界一の会社を作る」を掲げる目標はそこで到達点を迎えるのではないのですか? 片岡氏:私がずっと目指していたのは「ゲームセンター世界一」ではなく、「エンタメ世界一」です。当時はちょうど45歳でしたが、その時に考えたのが、最前線で全力で仕事をするなら体力的にも後20年だということでした。その20年という時間の中で、オーガニックなグロースだけで「エンタメ世界一」を目指していても、ウォルト・ディズニーといった世界のトップ企業には到底届かないという思いがありました。 ただ、在籍していたイオンはあくまで小売業の会社なので、エンタメ領域でダイナミックなM&Aは行いにくかった。だから独立・起業してもう一勝負しようと考えたのです。ここから1人になってでも、ゼロベースでエンタメ領域でのM&Aに特化した組織を作ったほうが、いったんは大きく屈むけれど、20年間というスパンではもっと大きいことが実現できるのではないか、と。 それでミダスキャピタルの吉村英穀さんに出資いただき、現在の弊社社長である申真衣にも参画してもらい、2018年にGENDAを立ち上げました。会社名の由来は「Global Entertainment Network for Dreams and Aspiration(夢と大志を実現させるためのグローバルなエンタメネットワーク)」の略です。