通算200ゴールも視界に?!なぜ38歳の大久保嘉人はC大阪で蘇ったのか…逆転負けも“王者”川崎F相手に2ゴール
「相手のディフェンスとの駆け引きだけでいまは(仕事が)済んでいる。そういう状況になると自分に対して自信もあるし、まだ2試合目でこの感覚まで来ていることは、次につながると思っています」 磐田でもヴェルディでも、生粋のゴールゲッターである自分に対する自信だけは失っていなかった。相手ゴール前でパスさえ来れば、という思いを抱きながらも、パスをさばく器用さももちあわせる大久保にはゲームを作る仕事も託され、大久保もチームのために戦ってきた。 「ずっと同じ形でやってきている川崎に対して、自分たちは今年からレヴィーになったなかで攻撃の姿勢が出ていて、面白い試合ができている。そこは自信をもって、やり続けることが大事になる。まだ2試合目だし、マイナスに考える必要はない。やり続ければもっと、もっと怖いチームになる」 川崎に逆転負けを喫した理由を、大久保は同じスタイルを継続させてきた時間の長短に求めた。攻撃的なスタイルを標榜するクルピ監督のもとでゴールを積み重ね、勝利をつかむたびに自信が深まっていく。悔しい思いはあるが、だからといって失望感はない理由がここにある。 「自分はそんなこと言っていられないですし、1試合1試合、勝負の気持ちでやっていかないと」 前人未踏となるJ1通算200ゴールも見えてきたのでは、と問われた大久保は常に背水の陣で臨んでいると明かした。現役最後のチームにする覚悟でプロの第一歩を踏み出した古巣の一員になり、無我夢中の思いがゴールラッシュにつながり、新天地のチームメイトたちから信頼の二文字を寄せられる。大久保を中心として、セレッソのなかに好循環が生まれつつある。 (文責・藤江直人/スポーツライター)