「クセに注目しすぎて」超速・五十幡亮汰はなぜプレミア12米国戦で盗塁死した? 本人&亀井善行コーチが明かす「サニブラウンに勝った足だけでなく…」
「今日のことは本当にいい経験になったと思います。彼はあの失敗をしたことで、もう一つランクが上がるんじゃないかなと僕は思っているんですよ」 【連続写真】「明らかにメッチャ速い」動画じゃなくてもわかる五十幡の超速盗塁シーン+「えげつない足といえばこの人」周東佑京の「前走に追いつく走塁」を連続写真で見る そう話したのは日本代表「侍ジャパン」の亀井善行外野守備・走塁コーチだ。 “あの失敗”とは、「プレミア12」スーパーラウンド、アメリカ代表戦でのこと。3-1で迎えた7回の攻撃で先頭打者が出塁し、代走として五十幡亮汰(日本ハム)が登場した。
牽制に飛び出してまさかの盗塁死
終盤でもリードは2点と油断できない状況でスペシャリストの投入となれば当然、快足を生かし「もう1点」を奪いに行く場面だ。ところが、五十幡は牽制を3度受けた後、カウント2-1から再びの牽制に飛び出して二塁タッチアウト。盗塁死となり、追加点のチャンスをあっけなく潰してしまった。 この盗塁失敗には理由がある。アメリカ代表は7回の頭から5番手ピッチャーとしてA・ドゥルーリーを投入したが、今大会1イニング6球しか登板していなかったドゥルーリーの確かなデータが日本ベンチにはなかった。とはいえ、初見のピッチャーとの対戦が多い国際大会ではよくあること。五十幡と亀井コーチはドゥルーリーの投球練習中から目を凝らし、なんとか左腕の癖を見極めようとした。
グラブの動きに注目して…
注目したのはドゥルーリーが右手で操るグラブだ。 〈グラブの動きが少なかったら変化球。グラブがしっかり動いた時は、真っ直ぐか牽制がある〉 そこにヒントを見出した五十幡は、リードをとりながらひたすらグラブに注目。グラブが動いたと思った瞬間、反射的に飛び出してしまったのだ。 五十幡が振り返る。 「牽制のデータも、ランナー一塁でのクイックのデータもなくて、試合の中で何か見つけてという状況でした。グラブに注目していたんですが、そこだけを見すぎて、逆に意識しすぎちゃって固まっちゃったのかな、という部分はありました。もっと牽制や投球を見て情報量を増やしてから行っても良かったし、1アウトになってから行くというのも一つの手だったかなと思います」
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