通算200ゴールも視界に?!なぜ38歳の大久保嘉人はC大阪で蘇ったのか…逆転負けも“王者”川崎F相手に2ゴール
後半26分には途中出場のFW加藤陸次樹が相手を背負いながら落としたボールに、ペナルティーエリア内の右45度から強烈なシュートを見舞った。ダイブしながら右手一本で弾き、コーナーキックへと逃れたソンリョンのビッグセーブの前にハットトリック達成を阻止された。 交代の選手がスタンバイしていた同40分には、松田へパスをはたいてから相手ゴール前へ。松田のクロスに対してあえて遅れ気味に、トップスピードに乗った状態で飛び込むもわずかに頭には合わず、直後に川崎サポーターの拍手を浴びながらFW松田力との交代でベンチへ下がった。 2桁ゴールをあげたのは「15」をマークした2016シーズンが最後で、その後はFC東京でプレーした2017シーズンが「8」、川崎とジュビロ磐田でプレーした2018シーズンが「5」、引き続き磐田でプレーした2019シーズンが「1」と年齢を重ねるごとに減少していった。 そして東京ヴェルディへ移籍し、セレッソ所属だった2002シーズン以来となるJ2でプレーした昨シーズンは屈辱の「0」に終わった。限界説も指摘され、大久保自身の脳裏にも「引退」の二文字がよぎりはじめた矢先の復活劇の背景には何があるのか。大久保は川崎戦後にこう語っている。 「やっぱりボールが集まるのが一番大きいですね。いままで点を取れていませんでしたけど、最後のところにいるけどボールが来ないし、(自分を)見てもらえない。いまはいれば来る。それが自分にとって一番大きいし、チームのために決めてやろう、という気持ちになる。すごくいい感じになっている」 中盤の左サイドを務めるキャプテンのMF清武弘嗣は昨シーズンから好調を維持し、右サイドには昨シーズンにブレークを果たした坂元がいる。左右のサイドバック、丸橋祐介と松田陸は良質なクロスを供給し、特に松田陸とは大久保のゴールを2つアシストするホットラインを開通させつつある。 さらにボランチには正確なプレースキックを武器とする、リオデジャネイロ五輪代表の原川力がサガン鳥栖から加入。ストライカーの仕事だけに専念できる状況は、通算で84ゴールをマークした川崎時代に共通するものがある。だからこそ、大久保はさらに言葉を弾ませている。