偉大な父からの「俺を超えられるものなら超えてみろ」に奮起し早期卒業した市田龍生都 デビュー開催決勝は9車身差で圧勝
まずは目標のひとつ、早期卒業は果たした。今後もこうしてひとつひとつ父を目標に成長していくことだろう。 デビュー開催ではすさまじいほどの実力を発揮した市田。父から受け継いだDNAに、競輪に対して突き詰めて考える実直な性格、そして父という偉大で最高の師匠がいる。今後、決定的な挫折が訪れる可能性は否定できないが、幾多の挫折を不屈の精神で乗り越えてきた父からのアドバイスがあれば、きっと大きな花を咲かせてくれることだろう。そしてこの底知れぬ力を秘めた怪物のデビューは、競輪界の輝かしい未来を暗示しているのかもしれない。 【Profile】市田龍生都(いちだ・りゅうと)2001年9月28日生まれ、福井県出身。自転車競技の名門、福井科学技術高校時代には、全国高校総体(インターハイ)1000mTTで2連覇を達成。国体などのタイトルも複数獲得するなど頭角を現す。中央大学進学後も好成績を維持。2年時にはインカレトラック短距離種目で3冠を成し遂げ、翌年も3冠を達成した。2024年5月に日本競輪選手養成所に入所し、ゴールデンキャップを2度獲得。第1回記録会の400mTTでは養成所記録を樹立した。2025年1月にプロデビューを果たした。父はGⅠ制覇経験のある市田佳寿浩氏(福井・76期・2018年12月引退)。
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