ゲームを学びにできるか──eスポーツに英会話、「ゲームの習い事」に夢中の子どもたち
熊本県の椎葉京(みやこ)さん(12)は昨年から、専任講師によるオンライン英会話のレッスンを受けている。教材はゲームだ。「フォートナイト」のチーム戦や「マインクラフト」など、協力しながら進めるタイトルが採用されている。レッスンではまず、コーチが画面を共有してその日の重点フレーズを学ぶ。次にアクションゲームをプレーしながら実際にフレーズを使っていく。コーチのAkiさんが軽快な調子で3人の生徒の英語を引き出していく。 Aki:Okay, very good. Today, we’re gonna do strong, weak, stronger, weaker, strongest and weakest.みんな使ったことあるかな? Strong and weak. これね、強いとか弱いって意味ね。Let’s say it together. みんなで言ってみよう。Strong and weak. せーのっ。 生徒たち:Strong and weak. 京さんたちが受けているのはゲシピ社が提供するeスポーツ英会話だ。ゲームプレーに関連づけながら英会話を学習していく。 Aki:Miyako! One more time. I have a strong 〇〇 okay? 京さん:I have a strong shotgun. Aki:Okay! I have a strong shotgun. It’s okay! モニターにゲームを映しながらタブレットで教材を確認、当たり前のようにボイスチャットも交わす京さん。レッスンを受けて1年あまり。すすめたのは母・一美さんだった。 「5年生から必修科目になった英語が得意ではなくて。苦手と思ってほしくなかったんです」 ゲームは大好きと語る京さんには効果てきめんだった。 「楽しいのかなあ? という不安な気持ちがあったけど予想以上だった。普通の英会話だと飽きちゃうけど、大好きなゲームと掛け合わせればとても楽しい」 レッスンを受け始めてからは英単語の習得にも前向きに取り組めるようになり、学校の通知表でも英語は一番上の評価を獲得できた。 もともと、ゲームには否定的な立場だった一美さん。だが、娘にとってゲームがかけがえのない存在であることを感じとり、考えを改めるようになったという。 「友達とボイスチャットをしながら楽しそうにやっている姿を見て、家とも学校とも違うサードプレイスのようなものなのかなと感じました。そんな姿を見たら受け入れざるを得ないなと」