ゲームを学びにできるか──eスポーツに英会話、「ゲームの習い事」に夢中の子どもたち
「まずは楽しんでもらうことを第一に考えていますね。教室なので指導する場面もあるんですが、無理やりやらせることはないです。(塾通いの動機としては)純粋に子どものやりたいことをやらせてあげている親御さんが多いように思います。でも、中にはプロを目指している子もいますよ」 eスポーツ専門学校への進学を希望している島津琉空(りく)さん(11)は今年の1月から通っている。母の悠香さんによれば、その熱意を測るために通わせたのだという。
「ある日息子からeスポーツ専門学校のよさをプレゼンされて。じゃあこれ(塾通い)をクリアしたら考えるという感じでした」 虹色に発光するゲーミングキーボードは、入塾に合わせて琉空さんが自身のお小遣いで手に入れた。0.001秒単位で向上するキーの反応速度の重要性を、家族にプレゼンした上でのことだ。将来の目標も明確に見据えている。 「オリンピックeスポーツシリーズでメダルを取りたいです。世界大会で1位」
オリンピックeスポーツシリーズは、国際オリンピック委員会(IOC)、国際競技連盟(IF)が、ゲームパブリッシャーと設立したによる世界規模のバーチャル・シミュレーションスポーツ競技大会だ。射撃競技において「フォートナイト」が採用されており、6月に行われた第1回大会の優勝者はオーストラリアの16歳だった。 筋力や体格よりも反射神経が重要なeスポーツにおいて、10代のトッププレーヤーは珍しくない。琉空くんについてぽんちゃんは「このまま練習を続ければ、十分プロになる見込みはある」と太鼓判を押す。息子に熱意を示された母も迷いなく「応援しています」と答えた。
苦手な英語も予想以上の楽しさ
文部科学省の実施した「令和3年度 子供の学習費調査」によると、公立・私立小学校における子ども一人あたりの学習費総額は2021年度に過去最高となった。小5以上の学校外活動費では自宅学習や学習塾・家庭教師などの「補助学習費」の占める割合が最も多く、教育熱の高さがうかがえる。 ゲームはeスポーツだけでなく、この補助学習費の領域にも進出してきている。