ゲームを学びにできるか──eスポーツに英会話、「ゲームの習い事」に夢中の子どもたち
夏休みに入り、ゲームに熱中する子どもとの向き合い方に悩む親も多いだろう。実は昨今、さまざまな「ゲームの習い事」が登場している。100億円規模 に市場拡大を続けているeスポーツでプロを目指す子もいれば、苦手な英語をゲームで克服する子も。取り組む親子と専門家に話を聞いた。(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
プロを目指す子も。eスポーツ塾に通う小学生
日曜の午前、東京・渋谷のとある多目的スペースに並べられた席に座る8人の小学生。彼らの机には、起動済みのノートパソコンが置いてある。一人の生徒がカバンから取り出したキーボードを接続すると、キーが虹色に発光しだした。 ここは、eスポーツスクール「eSports Salon Tokyo」。Epic Gamesが提供するオンラインゲーム「フォートナイト」の授業を行っている。フォートナイトはバトルロイヤル形式のシューティングゲームだ。敵からの防御や、有利な位置取りのために壁や足場を造る「建築」要素が特徴で、全世界で4億人以上のユーザーがいる。この日の授業でも建築をテーマにした指導が行われていた。 「では教材の45ページを開いてください。まず右回り。画面で見せます」 会場正面の巨大モニターに講師のプレーが映し出されると、生徒は真剣なまなざしを向けた。 「壁を1234……。右回りだと壁が4枚必要だけど、左回りなら2枚で済むので資材の節約にもなるし建築速度が速いです」
レクチャーが終わると、生徒が各自で実践する。2人の講師が見回りながら適宜アドバイスをしていく。 「建築は左回りでこんな感じ。早いっしょ。これマスターしたらだいたい(敵の)上を取れるから」「壁を置いたあとは視点変えないで。前から詰めてくる敵にはこれで、そうそうそう、ほら、ここは壁ほしいかな」 膝を折って生徒より一段低い目線で接する様子は、講師というよりも友達のお兄ちゃんのようだ。公式競技大会で4位の実績がある講師、ぽんちゃんはこう語る。