シャネルのジュエリー、重ねづけで魅力アップ コーデは「3×3」の法則で
■「コレクション N°5」と「ココ クラッシュ」 グラフィカルな調和
数字の「5」のモチーフをガブリエル・シャネルがジュエリーにしてまとうことはなかったが、アパルトマンのシャンデリアのデザインにもその数字が使われており、ラッキーナンバーとして愛着をもっていたことは間違いない。彼女自身も常に香水は「シャネル N°5」を愛用していたといわれている。 1921年に発表された伝説の香水「シャネル N°5」は、ロシア皇帝の専属調香師だったエルネスト・ボーによってつくられた。ボーが用意した香りのサンプルから5番目の香りをガブリエルが選び、そのまま「N°5」と名づけたという。 当時としては珍しい人工香料と複数の花々を組み合わせたフレグランスは、それまでのものとは一線を画す、複雑に構成された香りだった。また、華美な香水瓶が主流だった時代にシンプルなボトルも人々に衝撃を与えたという。この革新的な香りはのちにマリリン・モンローが愛用したことから世界中で爆発的な人気を博し、ガブリエルに富をもたらし続けた。まさに幸運のナンバーだったのだ。 そんなラッキーナンバーと新時代の女性のシンボルでもあったキルティングモチーフが、グラフィカルな調和を奏でる組み合わせ。それは、働く女性にとって最強のコンビネーションとなるに違いない。
■胸元を飾るラッキーナンバー モードなデザイン
「コレクション N°5」にはホワイトとベージュの2色のゴールドが使われている。必ずダイヤモンドがセットされていることも特徴のひとつだ。 この数字「5」のグラフィカルなデザインは、シャネルのファイン ジュエリー クリエイション スタジオによって生み出された。大胆で力強くも、しなやかなフォルムは、まるで1本のリボンで描かれたかのようだ。 実は、「コレクション N°5」には同名の香水の誕生100周年を祝して2021年に発表されたハイジュエリーコレクションが存在する。数字のデザインはそのコレクションを踏襲したもの。ダイヤモンドが多く用いられていることにもハイジュエリーコレクションの影響が感じられる。