「秋は抜け毛が増える」は都市伝説? 一過性じゃなかったらヤバいか…原因を皮膚科専門医が解説
「秋は抜け毛の季節」そんなネットの記事をよく見かける。夏の紫外線や寒暖差ストレス…などなど、その要因は様々だというが、一体どれが本当なのか? 頭皮や毛髪に不安を抱える人にとっては、一過性で済むものなのか、それともAGAの前兆なのかも気になるところ。クリニックフォア監修医兼ナチュラルスキンクリニック院長である皮膚科専門医の圓山尚(えんやまたかし)先生に聞いた。 【一覧】秋の抜け毛じゃないかも…(汗)「それAGAでは?」一目でわかるチェックリスト ■「最近、抜け毛が増えたなぁ」は気のせい? 紫外線に花粉、ストレス…本当の原因 ――秋は抜け毛が増えると言われていますが、本当ですか? 「動物は、秋と春が毛の生え変わる“換毛期”であることから、人間もその名残りで秋と春には抜け毛が増えるというのが有力な説です。でも、実はそのメカニズムについては完璧に解明されていないし、証明する文献もないんです」 ――ということは、都市伝説みたいなもの? 「そうですね。ただ秋は、夏に受けた紫外線によるダメージの影響によって抜け毛が増えるという可能性はあります」 ――紫外線は抜け毛につながるのですか? 「頭皮に紫外線が当たると、頭皮の弾力を保つ役割のあるコラーゲンやエラスチンがダメージを受けて頭皮が硬くなります。また、ダメージを受けた頭皮は外部からの刺激を受けやすく、毛穴に炎症が起こることもあります。このように頭皮環境が悪化すると髪が育ちにくくなって、抜け毛が増える場合があります。だいたい1~2ヵ月で表れるので、それが秋になるということはありえます」 ――秋の抜け毛は、花粉などのアレルギーも原因になると聞いたことがあるのですが。 「花粉などのアレルギーは直接抜け毛には関係しません。ただ、アトピーの症状がひどくて頭皮に痒みがあり、かきむしってしまったために抜け毛に繋がるということはなくはないですが、よほど重症のケースだと思います」 ――ストレスも髪によくないと聞きます。秋は、夏の疲れや寒暖差などで体調がすぐれない人も多いですが、それら自律神経の乱れが髪に影響するということはありますか? 「コロナ禍や出産など大きなストレスがかかると、休止期脱毛症といって、髪が急激に抜ける場合があります。夏の疲れや寒暖差などのストレスによって、少し抜けやすくなるという可能性はあるかもしれません。これは睡眠不足も同じです。髪を育む成長ホルモンは睡眠に伴って分泌されますので、睡眠をしっかりとって、ストレスを溜めないようにすることは、抜け毛を防ぐために大切です」