【新潟記念】“牝馬不振”に頭を悩ます一戦 サマー2000王座も視野のレッドラディエンス、キングズパレスが中心
七夕賞組も舞台適性で引けをとらない
七夕賞組以外ではマーメイドS1、2着アリスヴェリテ、エーデルブルーメが登録。さらに関越S3着セレシオンは新潟【2-1-1-0】のコース巧者。今年も好走候補が多い混戦になる予感がある。 前走クラス別ではGⅠが【4-2-0-16】勝率18.2%、複勝率27.3%で目立つ。ダービーは【2-0-0-3】と悪くないが、オークス出走馬は1986年まで遡ってもいない。 ライトバックはゲートに課題があり、どちらかというと“遅れ差し”タイプ。いかにも新潟外回りが合いそうなタイプだが、さてどうなるか。 “遅れ差し”タイプが強いように、ステイヤーも悪くない。前走天皇賞(春)【1-1-0-2】勝率25.0%、複勝率50.0%はそんな新潟外回りの適性が影響したものだ。 だが、好走2回はどちらもユーキャンスマイルなので、取り扱いに注意。天皇賞(春)9着ゴールドプリンセスは3歳春の忘れな草賞以来となる2000m出走。新潟外回りなら間に合いそうな予感もする。ただ、こちらも牝馬。推したいところだが……。 サマー2000シリーズ組が該当する前走GⅢ(GⅡ札幌記念組は登録馬なし)は【5-5-7-77】勝率5.3%、複勝率18.1%。分母が大きく取捨が難しい。 内訳は小倉記念が【3-0-3-17】勝率13.0%、複勝率26.1%。今年は中京で行われ、データをそのまま鵜呑みにできないが、5着以内【2-0-2-11】、6着以下【1-0-1-5】。 8着ファユエンは2走前のマーメイドS4着時に遅れ差し気味に猛然と突っ込んできた。春の新潟大賞典は0秒6差6着、昨年新潟記念では8着も着差は0秒4。牝馬なので強調しづらいが、その他戦歴も含め、左回りに良績がある。 七夕賞は【1-2-0-15】勝率5.6%、複勝率16.7%とさほど強調できないが、2着以内なら【1-1-0-3】。シリーズ優勝がかかった一戦なら、可能性は上がる。2着キングズパレスは新潟大賞典2着で適性は文句なし。 左回りの成績ならレッドラディエンスも負けていない。今年の七夕賞は序盤600m33.6、前後半1000m57.3-1:00.6、1:57.9。緩みがない厳しい流れだった。ほぼ同じ位置から2馬身差をつけたレッドラディエンスが一枚上か。 最後に上がり3ハロン別成績を。さすがに上がり最速を記録すると、【4-1-3-5】勝率30.8%、複勝率61.5%と好成績。ただ、2位【2-2-0-4】勝率25.0%、複勝率50.0%、以下4、5位【2-3-2-17】勝率8.3%、複勝率29.2%までは悪くない。 もちろん、瞬発力重視でいいが、必ずしも切れ味一辺倒でもない。好位にとりつき、そこそこ上がりをまとめられれば、好走できるのも新潟記念。切れ味に絞って予想するのは危険だろう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳