冠水時の避難に長靴は要注意、その理由とは? 水害に備えておきたい基礎知識
冠水した道路を歩く際に注意したいポイント
水害が発生して避難しなければならない場合のために、水害の状況にあわせた避難の仕方や避難する際に適した服装、避難時の危険から身を守る方法も伺いました。 ――水害時の避難の仕方について教えてください。 高荷さん: 水害の避難の仕方には「水平避難」と「垂直避難」があります。水平避難(立ち退き避難)は、今いる建物から離れて横方向に逃げる避難を意味し、垂直避難は建物の上方向に移動する避難のことです。 ――水平避難するか、それとも垂直避難するか、それぞれどのタイミングで判断すればよいのでしょうか。 高荷さん: 水平避難と垂直避難は、警戒レベルの段階やシチュエーションによって変わります。
自治体から発表される避難情報は、1~5までの警戒レベルと共に発表されます。まず気を付けたいのが、警戒レベル3の段階で発令される「高齢者等避難」。危険な場所に住んでいる、高齢者や介護が必要な方、妊婦さんや乳幼児、ペットなど素早く移動することが難しい方々に避難を開始してほしいタイミングで発令されます。この段階で避難を始める場合は、まだ家の周りが冠水していない可能性もありますので、徒歩や車を使って避難場所に水平避難しましょう。 そして、避難指示が発令される警戒レベル4の段階。ハザードマップで浸水や土砂災害に巻き込まれる場所にいる、全ての方が避難を開始するタイミングです。まだ、道路が冠水していない場合は徒歩や車で最寄りの安全な避難場所に水平避難しましょう。 注意しなければならないのが警戒レベル5、緊急安全確保と呼ばれる段階です。すでにどこか近い場所で洪水や内水氾濫、崖崩れなどが起こってしまった場合に発令される可能性があります。警戒レベル5の段階では、すでに道路が冠水したり、建物が水没している状況になっている恐れもあります。この場合は水平避難ではなく、今自分がいる場所で最大限に命を守るための行動が重要です。1階でなく2階またはそれ以上の水が到達しない階への垂直避難や、崖と反対方向の部屋に移動など、命を守る行動を取る必要があります。