経験ゼロでいぶりがっこ風たくあんに挑んだ男の記録【やさいの時間8・9月号こぼれ話】
目をつぶって食べると、かなりいぶりがっこな気がします。しかし本物のいぶりがっことの違いは、見た目だけでなく、食感にもありました。市販のたくあんは買った状態が水分的にもベストな状態なので、燻製中に水分が抜けてしまって、かなり堅く締まってしまった繊維質な食感になってしまいました。また水分が抜けることで、塩分濃度も上がっています。私が過去に食べてきた本物のいぶりがっこは、もっと水分がありシャキッとしていました。なので、これはあくまで、いぶりがっこ風たくあん、たくあんの燻製であり、本当のいぶりがっこではありません。でもしっかり燻製の香りはあり、ウイスキーのおつまみなどには合いそうです。あとでほかの編集部の人たちにも試食してもらいましたが、感想はみな「悪くない。いぶりがっこっぽい」というものでした。 市販のたくあんでも燻製することで水分が抜け堅くなり、塩分濃度も上がってしまいましたが、もともと水分が抜け過ぎ、木の根のようだった自作たくあんは、燻製したことでどうなったでしょうか。
むちゃくちゃ堅くてしょっぱい燻製された繊維そのものになりました。堅くて嚙み切れず、しゃぶってあじわうことしかできません。一番似ているのは、乾燥した(半生ではない)本格的ビーフジャーキーです。ダイコンジャーキーという新たな食べ物を生み出してしまいました。これをしゃぶりながらお酒を飲んだら、一晩中このダイコンジャーキー1本だけでどこまでも飲めそうです(危険)。 私の挑戦記はここまでです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。再度挑戦することがあれば、次のようなことを試してみたいです。 ・もっと水分が残った自作たくあんを作り(干す期間と漬ける期間を短く、漬けるときの塩の量も少なく)、今回同様に温燻してみる。 ・まるごとのダイコンではなく、切ったダイコンを温燻してから、そのダイコンを漬けてみる(より本当のいぶりがっこプロセスに近づける)。 人生は一度きり、みなさんもいろんな挑戦を楽しんでみてくださいね!! 『やさいの時間』8・9月号の特集は「ダイコン、カブ、ハクサイ 育てて、漬けて、季節を楽しむ」です。日本に定着し愛されてきた3つの野菜の、歴史、育て方、そして漬物については、いぶりがっこ実験だけでなく、手軽で本格なキムチや千枚漬け風のカブの漬け方も掲載しています! 次回の「こぼれ話」は、ダイコン、カブ、ハクサイの新たな食べ方のススメ。お楽しみに!〈8月上旬公開予定〉 ●『やさいの時間』編集部によるテキストこぼれ話。誌面で紹介しきれなかったお役立ち情報を、ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」で公開!【不定期公開】