ドラえもん歌手40周年の思い 山野さと子「みなさんを歌で元気づけたい」
「明石家サンタ」でおなじみの、あの童謡も歌う。将来は「ぜひスタジオで歌いたい」
アニメソングと並行して、童謡のレコーディングも行ってきた。「あめふりくまのこ」「サッちゃん」「森のくまさん」などは、よくテレビでも使われている。また「おめでとうクリスマス」は、毎年クリスマス時期に放送される「明石家サンタ」内で使われていることでも知られる。 「最近、友達に教えてもらって長年使っていただいていることを知りました。いつかスタジオで生声でお届けしてみたいですね」と笑顔で語る山野さん。 これまでのレコーディング数は、約1300曲。自分でも追えないくらい、テレビやラジオ、各イベントで使われており、それを聴くと、自然とうれしさがこみあげてくるそうだ。
幼稚園教諭・保育士の資格も取得。先生を対象に手遊び研修も実施
その童謡をきっかけに各地での「童謡コンサート」の仕事も増えた。そして、童謡を歌う中で「手遊び」も覚え、手遊びの講師から「あなたは手遊びの研修や講師に向いている。やってみたら」と勧めてもらった。 さらに幼稚園や保育園で研修を行う機会が増え、それをきっかけに通信教育で幼稚園教諭・保育士の資格も取得。全国各地の幼稚園や保育園での研修会講師を現在も務めている。 後に「世界中のこどもたちが」などの作詞でも知られるシンガーソングライターの新沢としひこさんとも講師仲間として出会い、新沢さんが社長を務める現在の事務所に所属することにもつながるなど、物事に取り組んでいくたびに新たな展開を生み出し、自然と活動領域も広がっていった。
コロナ禍で歌えずも、ライブ配信で新たな境地
そんな充実した日々を送りながら迎えたデビュー40周年。しかし、新型コロナウイルスの影響は、山野さんの活動にも多大な影響を与えることになる。 2020年2月末ごろから、毎週のように入っていたファミリーコンサートや研修会が延期や中止に。ファミリーコンサートは、山野さん自身が舞台から降りて子どもたちと歌うことが多く、研修会は会場いっぱいに詰めかけた幼稚園教諭らと身振り手振りで手遊び・大声で歌うなどするため、コロナ禍では開催が不可能という判断だった。 歌いたくても歌えない。これまで40年歌ってきて初めての経験に当初は戸惑った。しかし、山野さんはじっとしていられなかった。 「歌っていないとダメなんです。モチベーションもそうだし声もそうだし、自分をたもつには歌っていないといけないと思い、弾き語りのライブ配信などを強化しました」 YouTubeの弾き語り投稿は5年以上前から行っていたが、ライブ配信は、新沢さんら、所属事務所の仲間たちと積極的に行うようになった。 動画投稿もただ単に撮って出すだけではなく、動画編集の技術もマスターして、最近は凝ったものも投稿できるようになってきたそうだ。