4人の子のパパ・岩隈久志が語る、野球を始めた息子への思い「気になることはたくさん。でも口は出さない」
■息子の野球には口を出さない ――息子さんは高校生になって寮に入り、野球をされているそうですね。 そうなんです。よく連絡がきて、投げ方のこととか相談されます。 ――野球を始めたきっかけは? 僕がすすめたことはないんですが、中学生になって自分からやりたいと言い出して「じゃあ、がんばれ」と。それはうれしかったですね。 ――岩隈さんは野球を知り尽くしているからこそ、息子さんのこともいろいろと気になるのではないでしょうか。 それはもう、気になることはたくさんあります。でも口は出さずに見守るようにしています。僕が育ってきた時代とは環境も違いますし、自分で感じて考えて、トライしてほしいと思っています。 ――口を出さずに見守るのは、大変ではないですか? もっと上のレベルを目指してほしいとか、もっと真剣にやってほしいという気持ちはあるんですけど、それを言ったら野球が楽しくなくなってしまうかもしれない。せっかく自分からやりたいと思ったことを、そういう言葉で止めたくないんですよね。今、息子のほうから僕に野球のことをいろいろ聞いてくれるのは、これまで口を出さなかったおかげかなと思っています。 ――野球を楽しくやってほしいという思いがあるんですね。 もちろんこの先プロを目指したいとなったら、そのときは「本当に厳しい世界だよ」という話は、絶対にしないといけないとは思っています。 ■野球の裾野を広げたい ――2022年から中学硬式野球チーム「青山東京ボーイズ」を立ち上げて、運営や指導に携わられています。どういう経緯でチームをつくられたのですか? 現役を引退したので、次は野球の技術や楽しさを伝えていくことに力を注いでいきたいんです。野球人口が減ってきているので、裾野を広げていきたいという思いもあります。 ――中学生を対象としたのはなぜですか? 思春期で自分自身と向き合う時期でもあるので、野球の技術を教えるだけではなく、自分で考えて動くことの大切さを伝えていきたいと思いました。あいさつをしっかりするとか、人間性の部分も育てていきたいですね。僕ら首脳陣は例えば、この大会で優勝するとか、目標は決めません。目標は子どもたち自身で決めるように促しています。