なぜ「ダイソー釣り具」に私たちは魅了されるのか 「100均ビジネスの救世主」になりうる商品の顔ぶれ
■100円でも勝負できるアイテムはある 釣りの仕掛けも、手帳のコラージュに使うペーパー類も、製造コストが莫大にかかるとは思えない。原価はそこそこ、100円でも売ることができ、かつ使い切りで繰り返し買ってもらえるアイテム。これほどありがたい商品はないだろう。 そして、両方とも生活必需品ではなく、ささやかな楽しみを求めて買うものだ。だから、購入する際もうきうきする。どんな大きな魚が釣れるか、どんな可愛いページが作れるか。それが一つ100円なら、つい多めに買ってしまっても良心は痛まない。
100均を取り巻くコスト環境は今後も厳しくなるだろう。そんな中でも、常に新しい鉱脈を探してくるのが、この業界だ。100円で売ったとしても、繰り返し買ってもらえるアイテムが増えていけば、十分戦力になる。世のブームを敏感にかぎ取り、そこに商品をどんどん投入していくのが、100円ショップの底力だ。次は何をしかけてくるのか、楽しみに待ちたい。
松崎 のり子 :消費経済ジャーナリスト