アメリカの国債に興味があるのですが、日本の個人投資家でも買えますか?
アメリカ国債は、「トレジャリー」や「米国財務省証券」とも呼ばれるアメリカ(米国財務省)が発行する米国の債券です。日本の国債は、ゼロ金利が解除されたとは言え、依然として低金利が続いています。 そのため、国外に目を向ける個人投資家が増えているようです。高い利回りが魅力な米国国債ですが、購入時、保有時、償還時(売却時)のそれぞれのフェーズで注意すべき点があります。 今回は、米国国債の概要とともに、手数料など注意点についてお伝えしていきます。
米国国債は、米国が発行する国の債券
投資商品には、株式、債券、投資信託などさまざまな種類があります。企業への出資である株式に対し、債券は、国や企業に対する貸し付けです。満期までの年数と利率が定まっており、満期日には元本が償還(返済)されます。市場で流通するため、満期を待たずに途中売却することも可能です。株式と比較すると、リスクは低いものの、利回りも低くなります。 なお、投資信託は、多くの投資家から集めた資金を専門家が株式や債券などに分散投資を行う商品です。個別の株式や債券よりもリスクは低減されますが、信託報酬等の費用を考慮する必要があります。 米国国債は、債券に分類され、日本人の個人投資家でも日本国内で購入することが可能です。取り扱いの可否、銘柄数に差はあるものの、大手証券会社やネット証券など多くの証券会社で取り扱いを行っています。
米国国債の種類
米国国債にはいくつかの種類があります。代表的なものを紹介しましょう。 ■トレジャリービルTreasury Bills (T-Bills) 満期が1年以内の短期国債で、通常、割引方式で発行され、満期時に額面金額が支払われます。 ■トレジャリーノートTreasury Notes (T-Notes) 満期が2年から10年の中期国債で、半年ごとに利子が支払われます。 ■トレジャリーボンドTreasury Bonds (T-Bonds) 満期が10年以上の長期国債で、半年ごとに利子が支払われます。 このほか、TIPSと呼ばれる元本がインフレ率に応じて調整される「インフレ連動債(Treasury Inflation-Protected Securities)」などもあります。 また、タイプとしては、額面に満たない金額で発行され、期間中に利息は発生しないものの償還時に額面金額が支払われるもので「割引債」もしくは「ゼロクーポン債」と呼ばれるものと、保有期間中に利息が支払われる方式の「利付債」があります。 定期的にお小遣いのように受け取りたい場合には「利付債」、複利効果を享受したい場合には「割引債」といったように、償還(満期)までの期間の検討とともに、それぞれの意向や事情に応じて、商品を選択するのがよいでしょう。