アメリカの国債に興味があるのですが、日本の個人投資家でも買えますか?
米国国債を保有することに対する注意点
世界経済のリーダー的存在である米国の国債ですので、市場規模は全世界と非常に大きく、また流動性も高いことから、やはり人気があります。ただし、リスクはゼロではありません。米国国債そのもののリスクとともに、日本からの投資におけるリスクが存在します。例えば、以下が挙げられます。 ■為替リスク 米国国債はドル建てのため「為替リスク」があります。購入時よりも円安になると利益が出る一方で、円高になると損失が発生する可能性があります。 例えば、1ドル=130円のときに130万円で買い付けた債券が、償還時に為替が1ドル=150円(円安)であれば150万円を受け取り20万円の利益が発生しますが、1ドル=100円(円高)であれば受け取りは100万円となり30万円の損失となります。 ※分かりやすく説明することを目的とするため、利息や為替手数料については考慮していません。 ■流動性リスク/金利変動リスク 全世界で最も流動性が高いと言われる米国国債ですが、政治的情勢や経済状況により必要なときに売却できない可能性はあります。 売却できたとしても、金利動向等のバランスから期待通りの価額での売却が難しい事態も想定しておく必要があります。今後米国の金利が下がることを見込まれれば、保有する高い金利の債券は市場で高く取引されるため売却益を得られる可能性は大いにあります。 逆に、市場よりも低い金利の債券を保有している場合には、売却ができない、売却できても買い付け時を下回り損失が生じる可能性があります。 ■信用リスク 米国国債は安全性の高い投資とされていますが、リスクがないわけではありません。 債券が貸し付けであることから、基本的には、償還まで保有すれば、約束通り、元本(額面金額)を受け取ることができます。一方で、財政状況や政治状況により返済ができないことを「デフォルト」と言います。デフォルトが宣言されると債券価値は消滅します。 例えば、途上国など信用力の低い国の債券についてはデフォルトになる可能性も否定できず、ハイリスクハイリターン商品として注意が必要です。米国国債については、デフォルトになる可能性は低いものの、投資において「絶対」はないことを心得ておく必要はあります。