大企業の退職金は「2000万円」が平均!? 中小企業はどのくらい? 退職金で「老後生活」を過ごせるのかも解説
中小企業庁 中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します このデータから退職金2000万円を受け取れる人の割合は、ごく一部の人に限られているであろうことが分かります。
退職金2000万円で老後生活を過ごせる?
では大企業に務めている人が退職金2000万円を受け取り、これで老後は安泰かというとそうではありません。老後は年金収入が中心になる人が多く、現役時代よりも収入が大幅に減少する傾向にあるからです。 次項で老後の夫婦2人が必要となる平均的な生活費と、一般的な年金額をみていきます。 ■老後夫婦2人で暮らす場合の生活費と年金額は? 総務省統計局の発表した家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の高齢夫婦無職世帯の生活費の平均は約23万7000円です。ただし、このデータでは住宅ローンを完済している持ち家世帯も含むため住居費が安くなっており、賃貸で生活する世帯の場合はさらに生活費がかかります。 図表2
総務省統計局 家計調査報告 (家計収支編) 2022年(令和4年)平均結果の概要 一方の年金収入の平均は、夫婦2人で約22万円(社会保障給付)です。現役時代よりも大幅に収入が減ってしまう世帯も多いでしょう。 図表3
総務省統計局 家計調査報告 (家計収支編) 2022年(令和4年)平均結果の概要 図表3のとおり、家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月約2万2300円の不足が生じる計算です。60歳から老後生活が30年続いたとして、その間ずっと毎月約2万2300円の不足が生じた場合、約803万円が必要になります。 理論上は2000万円の退職金に対して不足額803万円なので、安定した老後生活を送れそうに思えます。 しかし、前記のとおり、賃貸で生活している世帯では生活費がさらに高くなる傾向にあります。また、親や配偶者の介護費用が必要になった際は多額の資金が必要です。加えて病気や事故による突発的な費用や住宅のメンテナンス費用も想定した場合に、2000万円の退職金は油断できない金額です。