「箱根駅伝は杓子定規では通用しない」立教大“予選会トップ”“全日本シード獲得”に続くサプライズへ、選考レースを終えて「腕の見せ所」とは?
上尾よりはよかった
高林監督も「全体的に上尾よりはよかった」とポジティブに捉えていた。 「上尾ハーフは、想定外の結果でしたが、今回は状態がそんなに良くない中でも粘って走ってくれましたし、伊藤(匠海・2年)が28分56秒で走ってくれて、上を突き上げてくれました。本音を言えばもうちょっとタイムをという気持ちがありますが、それぞれが悔しいとか何かを感じてくれればいいかなと思います」 12月には、立教大は千葉で合宿に入る。この時期になると、出走区間が決まっている選手はいいが、往路区間の一部をギリギリで争うような選手は、生き残りをかけた部内競争に身を置くことになる。その結果、箱根本番の時には疲れが取れず、本来のパフォーマンスを発揮できずに終わるケースがある。 「うちは部内競争はさせず、練習でポイントを押さえて走っているかとか、身体の状態などを見て、選考していきます。逆にいうと、合宿中、気が抜けないでしょうね。合宿に集中して、ジョグやポイント練習に向き合っていることを選考基準にするので」
箱根本戦は杓子定規では通用しない
高林監督の表情を見ていると、もうすでに箱根のメンバーも含め、プランがしっかり描かれているように見える。もちろんその想定通りに行かないのが箱根なのだが、それでもここまで結果を出してきた流れから、箱根も「シード権獲得」という目標に向けて、抜かりなく準備をしているようだ。 「全日本や箱根の予選会は、想定した中でうまくやれた部分があったんですけど、箱根の本戦は杓子定規で通用するところではないと思っています。今までは練習での80~90%出せたらいいみたいな感じでしたが、箱根ではそこにプラスアルファのものを出させるようなトレーニングや調整をこれからやらないといけない。私も監督としては1年目なので、このやり方でどうなるのか未知数ですが、腕の見せ所だと思っています」 これまで数々のサプライズを起こしてきた立教大だけに、「箱根も」という気持ちでチームは、これからより一体感を増していくだろう。
(「箱根駅伝PRESS」佐藤俊 = 文)
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