「箱根駅伝は杓子定規では通用しない」立教大“予選会トップ”“全日本シード獲得”に続くサプライズへ、選考レースを終えて「腕の見せ所」とは?
「おいおいおいという感じですね」
レース後、高林監督の表情は、渋いままだった。 「うーん、目的達成とはいかず、おいおいおいという感じですね」 ややテンションが下がった声でそう言った。 「今回は、暑さがある中でもタイムが出るコースなので、63分を切る、あるいは63分台でいけると思っていました。でも、それぞれ1分近く、タイムが遅い。天候を加味すれば63分でいけるよって思うけど、そうじゃないんです。ここでちゃんと62分台、63分前半で走って初めて自信がついてくるんです。そうさせてあげたかったんですけど、うまくいかず……ポイント練習で離れて、ミスったなぁみたいな感じです」
4年・中西の悔しさ
このレースに賭けてきた中西洸貴(4年)も表情に悔しさを滲ませた。中西は関東インカレのハーフマラソンで64分58秒、12位とまずまずの結果を出し、秋の駅伝や箱根の予選会での活躍が期待されていた。しかしその後、シンスプリント(すねの痛み)で苦しみ、レースの1カ月半前にようやく復帰、調整してきた。だが、結果は64分03秒で63分台に届かなかった。 「自分は暑さが苦手なので、ちょっと弱気になってしまって。15キロを原田と一緒に通過したのですが、最後の5キロで20秒の差をつけられてしまい、悔しいですね。復帰してから練習で詰め切れていないので、その弱さが出てしまったのかなと……」 中西が故障から徐々に回復している中、チームは箱根予選会をトップで通過し、全日本大学駅伝では7位という結果を残した。 「もう悔しさ、9割です。そのメンバーに入れないというのもそうですし、自分が足踏みしている中、選手ひとりひとりがすごく成長していました。今は弱気にならず、日々、みんなの背中を追うんじゃなくて、追い越すつもりで練習しています。最後の箱根になるので、最後まで諦めない気持ちで粘って付いて行こうと思っています」 中西の箱根の希望区間は、10区だ。100回大会でアンカーを務めた関口絢太(SGH)は国学院久我山高校の先輩に当たり、中西は昨年はダミーとして10区に入った。その時のゼッケンが手元にある。今回はゼッケンをつけて、関口のように安定感のある走りを見せたいという。
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