「箱根駅伝は杓子定規では通用しない」立教大“予選会トップ”“全日本シード獲得”に続くサプライズへ、選考レースを終えて「腕の見せ所」とは?
当落線上の選手に問われるもの
中西のようなポジションの選手は他チームにもいる。 ここから巻き返すのは大変だが、チャンスがないわけではない。選抜合宿でどこまでアピールできるか。諦めずに最後までファイトする姿勢が問われることになる。 中西は目標タイムに届かなかったが、結果を出した選手もいた。 「原田は今回、しっかりとまとめてくれたので、そこは箱根に繋がるかなと思います。あと、Cチームで練習していた木代(博也・2年)が5000m14分39秒64ですが、今回64分17秒で部内3位に入ってきました。そういう選手が少しずつ台頭してきているので、悲観はしていないんですけど……ただやはり、走った子には自信をつけさせてあげたかったなと思います」 高林監督は、少し肩を落として、そう言った。
MARCH対抗戦の目論見は
その1週間後、立教大はMARCH対抗戦に出場した。10000mのレースを4組に分かれて行い、大学毎に上位10名のタイムを合計し、順位を競う大会だ。立教大からは1組から4組まで、エースの馬場賢人(3年)ら全日本出走組も含めて11名が出走した。 「北海道で10000mのタイムを出そうとして失敗したので、MARCHではそれぞれタイムが出ればと思っていますが、どうかなって感じですね」
ロードとトラック、シューズが変わる難しさ
高林監督が「どうかな」と懐疑的な見方をしていたのは、箱根のためにロード強化をしており、トラックを全然走っていなかったからだ。ロードでは厚底シューズで走るが、トラックではスパイクで走り、ロードとは異なるスピードが要求される。ロードからトラックのモードに戻して、すぐに走れるかというと、それほど簡単なことではない。 馬場は、4組目に出走し、中盤までいいペースで走っていた。だが、徐々に遅れ始め、青学大や中央大の背中を追う展開になった。 「もうめちゃくちゃキツかったです。28分30秒ぐらいを狙って、いけるところまでいこうと思って無理やり動かしていたんですけど、スパイクだと動かないですね。ただ、勝負はここじゃないですし、ロードでは走れると思っているので心配はしていないです」 馬場のタイムは28分58秒48で、想定よりも遅かったが、春先よりも最後に粘れたことを収穫にしていた。
【関連記事】
- 【写真】「キツそう、でも見た目は幻想的」なMARCH対抗戦のライトアップのなかで激走するエース馬場ら立教大の面々+箱根予選会、全日本のサプライズのすべてを見る
- 【こちらも】「いや、狙っていたんで」立教大まさかの全日本駅伝シード権獲得は“ラッキー”にあらず…「粘り」と「準備」で箱根駅伝でも台風の目になるか
- 【驚きの快走】監督も驚嘆!「私の指示、分かってんの?(笑)」箱根駅伝予選会で立教大学がまさかのトップ通過…強豪校相手にもビビらなかった勝因とは?
- 【衝撃の告白】立教大監督を解任→実業団選手に転身、上野裕一郎38歳に聞いた「電撃復帰」の真相「ひらまつ病院が拾ってくれた」「立教大の選手に会うと…」
- 【巻き返しの真相】「泣いている場合じゃないぞ」全日本駅伝、駒澤大が涙の16位→2位の超人的な大まくり…5連覇失敗は「敗北」か「収穫」か? “箱根ではやり返す”