「箱根駅伝は杓子定規では通用しない」立教大“予選会トップ”“全日本シード獲得”に続くサプライズへ、選考レースを終えて「腕の見せ所」とは?
箱根駅伝予選会では、トップ通過で周囲をアッと言わせ、その2週間後の全日本大学駅伝では強豪校にも怯まずに攻めのレースを見せ、7位でシード権を獲得した立教大。快進撃がつづき、「立教は勢いがある。箱根も相当走るだろう」と、他校に警戒されるところまで駆け上がってきた。 【写真】「キツそう、でも見た目は幻想的」なMARCH対抗戦のライトアップのなかで激走するエース馬場ら立教大の面々+箱根予選会、全日本のサプライズのすべてを見る
まだまだ物足りない
だが、立教大の高林祐介監督は、そういう声に特に反応しない。 「ここまでチーム力が上がった感はありますけど、箱根は別ですから。まだまだ物足りないですよ」 その物足りなさを埋めるため、また箱根駅伝の選考の場として立教大は、まず上尾ハーフに12名の選手を送り込んだ。 その意図について、高林監督は、こう語る。 「箱根を戦うためには、もっと上を突き上げる選手が出てきてほしいですし、ハーフで自信をつけてもらう必要があります。箱根の予選会は暑さの中、タイム的に非常に厳しかった。63分台は馬場(賢人・3年)だけで、64分も2人だけ。 あとは65分以上なので、そのタイムで自信を持って箱根に臨めるかというと私も選手自身も難しい。ですから、上尾でもうひとつだった走りの選手、ハーフを1本しか走ったことがない選手にいかに自信を持たせることができるか。そのことに尽きると思っています」
練習だけで自信がつくところまでは至っていない
高林監督が“自信”を重視していたのは、それが箱根を戦う上で不可欠なものであることをこれまでのコーチとしての経験で学んできたからだ。例えば駒澤大では、円健介、赤星雄斗(大塚製薬)らが、先輩たちがここで練習をして強くなったのだから「自分もできるんじゃないか」と思い、そこで練習することで強くなり、自信をつけた。そうして円は、4年時の上尾で日本人学生トップの61分51秒で走り、箱根1区を駆けた。だが、今の立教大はまだ、練習だけで自信をつけるところにまで至っていない。 「うちも練習でだいぶ自信をつけられるようになってきたのですが、まだ、そこ(駒澤大)までじゃない。それに最後はレースで結果を出さないと本当の自信には繋がらない。だから、どんな走りを見せてくれるのか、期待していたのですが……」 上尾は比較的平坦で、高速コースと言われている。同時に立教大を始め各大学が、箱根駅伝のエントリーメンバーの最終選考の場として位置付けている。今年のレース当日は日差しが強く、気温が20度を超える厳しいコンディションになった。そのせいか立教大メンバーに62分台はゼロ、63分台も63分42秒の原田颯大(2年)のみ。ルーキーの鈴木愛音が64分20秒で悪くはないが、高林監督の想定通りにはいかず、厳しい結果になった。
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