セパ格差の理由…なぜセは巨人独走でペナントの灯が消えかけパは優勝争いの熱戦が続いているのか?
「巨人は、原監督がGMを兼ねたような全権監督として組織を主導し、シーズンが開幕してからもトレードで高梨、ウィーラーを獲得して足りない部分を埋めた。編成部の選手を見る目もあったと思う。加えてスカウトを人事異動させるなどして組織全体に緊張感を作り、それがチームの緊張感、危機意識にもつながった。他の5チームはヤクルトが最近になって独立リーグから元阪神の歳内を獲得したくらいで、主力に故障者が出ても組織としての動きは見られなかった。厳しい言い方だが、危機意識を感じなかった。これだけのゲーム差が生まれてしまったのも無理はない」 巨人は6月に楽天のウィーラーと池田駿をトレード、7月に左腕の高梨雄平と高田萌生とのトレードを成立させ、2人とも戦力になった。開幕後に阪神が飯田優也とオリックスの小林慶祐のトレードを行ったが、打倒巨人につながるような補強ではなかった。 「一方のパは、オフから打倒ソフトを掲げて楽天、ロッテが積極的に戦力補強を仕掛けた。ロッテは巨人と沢村のトレードを成立させ、最近になって元中日のチェンまで補強、楽天は中継ぎ強化のため、広島からD.J.ジョンソンを獲得してさっそくゲームで使った。ソフトバンクはもとより、組織として本気で優勝を狙う姿勢を見せていることが結果的にペナントレースを面白くすることになっている」 パは、オフに楽天がFAで鈴木大地、トレードで涌井秀章、人的補償の酒居知史2人をロッテから加え、凱旋帰国の牧田和久らの大型補強を行い、すべてが成功。開幕後も巨人のトレードに応じ最近では中継ぎ強化にD.J.ジョンソンを広島から獲得した。 ロッテもオフにFAで楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平を獲得、阪神を戦力外になった鳥谷敬も加えた。開幕後も巨人からトレードで沢村拓一、先日は、元中日でメジャーで活躍していたチェン・ウェインを獲得するなど積極的な補強を続けた。 そして橋上氏は、セパ格差を生んだ、もうひとつの大きな原因が監督力だと指摘する。