【毎日書評】まず面倒な人間関係はやめよう!長く働き続けるために
著者によれば『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(後藤宗明 著、朝日新書)は、「人生100年時代」といわれ、70歳までの就業機会の確保が努力義務となりつつあるいま、これからの人生をどう過ごしていくべきかについて悩む中高年に向けた書籍だそう。ただし20~30代の方にとっても、40~50代の現実を把握するという意味で有効であるようです。 そんな本書のいちばんの目的は、「これからも必要とされる働き方を手にいれる」こと。そして、そのための有効な解決策が「リスキリング(reskilling)」であると著者は考えているのだといいます。 ご存知のとおり、英語の「reskill」がもとになっている「リスキリング」が意味するのは、「(新しいスキルを)再習得させる」こと。「(個人の)学びなおし」という和訳を当てているメディアも存在するものの、本来は企業などの組織が主語になり、たとえば「企業が自社の従業員をリスキルする」という使い方をするわけです。 とはいえ実際のリスキリングにおいての主役は、「働きながら新しいスキルを習得する個々人」であるはず。 そのため、働く個人の視点で捉えなおした場合、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」だといい換えることができるのです。 「これからも必要とされる働き方」ができるかどうかは、今からどのようなアクションを取るかによって大きく変化します。将来の選択肢を増やし、長く働き続けるためには、リスキリングが大きなカギを握ります。(「はじめに」より) 著者がこう断言できるのは、40代でクビを3回経験し、書類選考や面接で100社以上に落とされたという厳しい現実を、リスキリングによって打破してきたから。つまり本書は、そうした実体験を軸に書かれているのです。 そんな本書の第3章「リスキリングを開始・継続するために」内の5.「『人間関係』に投資し、チャンスを増やす」のなかから、きょうは「やる気をなくさせる人間関係と距離を置く」に注目してみましょう。著者はここで、自分の「やる気をなくさせる」人間関係と距離を置くことをすすめているのです。