ドラッグ依存のホームレスが急増、空き店舗も続々…ドジャース球場から20分「ロス郊外」のヤバい治安
劇的な逆転でワールドシリーズを制覇したロサンゼルス・ドジャース。大谷翔平選手がシーズンを通して大活躍したこともあって、テレビやネットなどでドジャー・スタジアムや、ロサンゼルスの街の様子を目にした人も少なくないだろう。 【写真】「サンタモニカは安全ではない」という意味の横断幕が商店街にデカデカと掲げられている そんなロサンゼルス市内から車で西へ20分ほど、いかにもカリフォルニア、といった海岸が広がるサンタモニカ市で治安の急悪化が懸念されている。いったい何が起こっているのか。ジャーナリストの長野美穂氏がリポートする。
■ドラッグ依存症のホームレスと犯罪が急増 「もっと安全な街に!」「安全のために投票してください!」 いま、カリフォルニア州サンタモニカ市のあちこちの家の庭に、こんなサインが掲げられている。アメリカ大統領選の投票日と同じ11月5日に、サンタモニカ市の市議会選挙が行われるのだが、このサインはその候補者たちを支援するものだ。 この選挙の争点はただ1つ。「Safer(もっと街を安全に)」であることが伝わってくる。青い空と海とビーチで知られるサンタモニカには、ロサンゼルスのドジャー・スタジアムを訪れたついでに遊びにやってくる観光客も多い。
風光明媚でパラダイスのような場所として長年知られてきたこの街だが、コロナ禍以降は、ドラッグ依存症のホームレスの急増と犯罪の多発で、治安の悪化が問題となっている。実情を確かめるべく、街の中心部の3番通りにある「プロムナード」と呼ばれる商店街を実際に歩いてみることにした。 【写真】“明るい”カリフォルニアの印象とは大違い? 商店街には空き店舗が目立ち、ホームレスの人々の姿も(13枚) 見たところ、商店街のざっと3分の1ほどの店舗が「空室」になっている。その中でも「AMCブロードウェイ4」という創業90年の歴史を持つ映画館が今年9月に閉店したのは、象徴的だった。かつてはレストランがあった店舗やリテール店舗の多くも、がらんとした空室になっている。