「勉強が好き」秋元康プロデュースでデビュー。加藤柊が難関高校受験でNiziUに救われた理由
NiziUに元気をもらいました
アイドルは正解がない中、努力を続ける仕事ともいえる。加藤さんがアイドルが誕生するまでの背景に夢中になったのは、日韓合同のオーディション番組『Nizi Project Season 1』(2020年)だという。この番組から、ヒット曲『Make you happy』で知られるアイドルグループ・NiziUがデビューしている。加藤さんは言う。 「当時、コロナ禍で、高校受験もあり“このまま将来はどうなるんだろう”という気持ちを抱えながら、勉強を続けていました。そんな時に、『Nizi Project Season 1』を見て、メンバーの皆さんがデビューに向かい、ひたむきに努力する姿を見て、勇気と元気をもらい、何度も泣きました。 当時、私は地元の難関高校を目指していたので、受験勉強はとても大変でした。数学がとにかく苦手で、他の教科も期待した結果が出せなくて、悲しくなったこともあったのですが、NiziUの皆さんの姿を見て“とにかくやり続ける”と邁進できました。 そうして“私は絶対に合格する”と、自分を鼓舞しつつ勉強を続けたら、憧れの高校に合格できたんです。これには、NiziUの皆さんの存在が大きかったと思います」
「アイドルになればいいじゃん」
アイドルの輝きは、人に希望をもたらす。それを実感した加藤さんは、第一希望の難関高校の新一年生になる。おおらかな雰囲気の進学校は服装も自由。周囲の同級生と同様に、メイクをして学校に行った。 「メイク上手な友達に教えてもらいつつ、ドキドキしながら学校に行くと、友達が『なんか、雰囲気がアイドルっぽい、アイドルになればいいじゃん』と言ってくれたんです。そのとき、遠い世界にいるNiziUのメンバーの皆さんと、私自身の世界が“繋がる”という感覚を覚えたのです。 そのとき、『頑張れば、扉は開くのではないか。私もアイドルになれるのではないか』と思い、高校1年生から、アイドルのオーディションへの応募をするようになりました。それと同時に、勉強にも力を入れるようになったんです。アイドルになるには、東京に出なくてはなりません。両親は地元の大学を望んでいましたが、私は挑戦がしたかったんです」 そして加藤さんは、アイドルのオーディションを受けながら、なんと現役で難関国立大学に合格するのだ。 後編「「高3の夏休み」にオーディション合宿。秋元康プロデュースでデビュー・加藤柊が難関国立大に合格するまで」では、どのように勉強をして難関国立大学に合格したのかをお伝えする。 加藤柊 2005年7月13日 北海道生まれ。2024年から大学生とアイドルとしての活動をスタート。『Rain Tree』として、2025年1月29日デビュー。
前川 亜紀(ライター・編集者)