【スポーツカーの宝庫!】S2000、ビート、CR-ZにS-MX!一代限りで終わってしまった名車たち:ホンダ編
ホンダ・エディックス(2004~2009年)
3座×2列の6座を独立させ、前後のセンターシートにロングスライド機構を持たせるV字シートレイアウトを採用。フロントセンターシートは子供の乗車も考慮し、万一の衝突時の安全性とドライバーの操作性への影響を徹底検証し、シートのスライド位置を設定。270mmという長いスライド量により、チャイルドシートを装着した際の子供の乗車に対応するとともに、隣の人と肩をずらす形で、快適な横3人掛けを実現していた。 また、3×2のレイアウトを活かし、4285mmという短い全長ながら6名乗車時でも439Lのラゲッジスペースを確保。さらにリアシートをすべて格納すれば、前席に3名乗車しながらMTBを3台も積載可能なラゲッジスペースが出現した。 シャシーはワイドトレッドであり、乗員すべてがホイールベース内に収まるため、前後荷重の変化は少ない。バランスが良いという3×2パッケージの特徴を活かし、優れた操縦安定性としなやかな乗り心地を実現した。 エンジンは発売当初は2.0L DOHC i-VTEC(156ps)と1.7L VTEC(130ps)の2種類の設定だったが、2006年のマイナーチェンジで1.7Lが廃止され、新たに2.4L DOHC i-VTEC(162ps)が加わった。 そんなエディックスは全幅が広いと言っても1795mmに過ぎず、最小回転半径4.9mと小回りが利くので、狭い道でも個人的には扱いにくさはなかった。車内のV字型レイアウトは前席と後席の乗員の間でコミュニケーションが弾んだが、一代限りで販売を終了してしまった。後継はフリードと言うことになるだろう。
ホンダ・アヴァンシア(1999~2003年)
初代アヴァンシアは四代目インスパイアをベースに開発された、ステーションワゴンタイプの国内専用車だ。初代とわざわざ書いたのは、二代目アヴァンシアも発売されたが、これは中国専用車だったから。ここでは一代きりのモデルとして紹介する。 ステーションワゴンタイプと記したが、アヴァンシアは一般的なセダンをベースにしたワゴンより若干背が高い(全長4700×全高1500mm/L、Vタイプ)。ホンダは『スタイル、パッケージング、走り、快適性のすべてに新しい価値を追求し、多様化するライフスタイルに対応できる上級車』として、アヴァンシアを提案。それを独創のスタイル『アーチキャビンフォルム』によって実現したという。 センターウォークスルー、ミニバン並みの高い室内高、高めのシート高、上質なインテリア、上級車にふさわしい静かな室内空間など、乗ればわかる価値が盛りだくさんだ。 エンジンは3.0LV6 VTEC(215ps)と2.3L直4 VTEC(150ps)の2種類で、トランスミッションはホンダ初のゲート式インパネシフト。V6エンジンのVタイプは、ホンダ初の5速ATを採用した。 ホンダの新しい試みから生まれたアヴァンシアであったが、日本では一代で販売を終了することになってしまった。同じホンダのアコード・ワゴンがライバルとなってしまい、販売的には成功しなかったようだ。