岸田文雄首相が就任会見(全文3完)中国には言うべきことはしっかり言う
低投票率の原因は政治不信ではないか
畠山:すいません、コロナとデジタルのことで伺いたいんですけど。 司会:では最後の質問で。はい。よろしくお願いします。 岸田:はい。どうぞ。 畠山:ありがとうございます。フリーランスライターの畠山理仁と申します。新型コロナウイルス感染症が存在する中でも有権者が安心して投票できる権利について伺えればと思います。選挙は民主主義の根幹ということで、不要不急の外出には当たらないと。コロナ禍においても選挙は通常どおり行われています。一方で投票率が低下傾向にあって、前回の衆議院選挙では53.68、2019年の参議院選挙では48.8%ということで、約半数の方が投票に行かれていません。まずはこの低投票率がどこに原因があるとお考えか、それは政治不信に原因はないとお考えかということが1つと、今年の6月から新型コロナウイルス感染症の陽性者には郵便投票等の特例が認められるようになりました。ただ、不特定多数が出入りする投票所へ行くことを敬遠される方、それからDVの被害者など住民票のある自治体に近寄れずに投票を諦めてしまうという方もいらっしゃいます。もちろん投票所ではアルコール消毒とか、それから体温を測ったり、ビニールシートを張ったり、それから距離を確保したりと、感染症の対策は取られていますけれども、そろそろ全ての方が安心して投票できる制度、投票率を上げるための制度、それからデジタルを活用して公正な選挙が行われるようにする制度、例えばポスター掲示板のデジタルサイネージ化、それからインターネット投票、それから投票ポイント制度とか、政治の側が整備すべき制度があるのではないかと思うのですが、岸田さんのお考えをお聞かせください。ありがとうございます。
国民の信頼を取り戻さねばならない
岸田:はい。ありがとうございました。まずは低投票率についての要因ということですが、政治不信もあるのではないか、こういったご指摘ですが、私はそういった政治不信もあると思っています。多くの方々がコロナ禍で苦しんでおられる、私も今回の総裁選挙に至るまでの1年間、多くの国民の皆さんの切実な声を小さなノートに書きとどめながらいろいろ話を聞いてきました。その中で、自分たちの声が政治に届かないとか、政治の説明が国民に響かないとか、こういった声もたくさんあったと振り返っています。 こういった状況に対して、やはり民主主義の根幹であります国民の信頼、しっかり取り戻していかなければいけない、こういった危機感を私も持ち、今回の総裁選挙にも挑戦した、こういったことであります。ぜひ納得感のある説明、あるいは対話、そして丁寧で寛容な政治、こういったことを進めることによって国民の信頼感をしっかり取り戻し、そしておっしゃるように選挙の投票率にも影響してくる、こうした流れをつくっていきたいと思っています。 そして、コロナ禍の中で選挙の投票がなかなか難しい等ご指摘がありました。それに向けてさまざまな提案も今、いただきました。これすぐにできること、できないこと、これはさまざまだと思いますが、絶えず最新の技術もしっかりと念頭に置きながら何ができるのか、これを不断に考えていく、こういった姿勢は大事なのではないかと思います。まさに国民の皆さんの声も聞きながら、現実、選挙、より多くの皆さんに投票に行ってもらえるような体制をしっかりつくっていきたい、そういった大きな方向性は大事にしていきたいと思っています。以上です。 司会:それでは以上をもちまして本日の記者会見を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。 (完)【書き起こし】岸田文雄首相が就任会見