【40代の壁を乗り越えるための心得5】“ワーママはるさん”こと、尾石 晴さんも40代に悩んだ?
“小1の壁”がきっかけで、さまざまな問題に気づく
著書では鋭い分析力で、女性がぶつかりがちな“40歳の壁”について解説。尾石さん自身が、その壁の存在に気づいたきっかけは? 「長男の“小1の壁”で実感しました。保育園時代は、自分も30代で体力があったし、キャリアアップに挑戦したり、家事・育児も時短術や外注などを活用して何とかやりくりできていたんです。でもちょうど長男が小学生になるタイミングで、行き詰まりを感じるように。大きかったのが、子どもが保育から学習のフェーズに入ることで、わが子に合った対応が必要になるのでアウトソーシングできなくなったこと。帰宅後の私の負担が大きく、これは現状を変えるべきなのでは、と。一見子どもや時間のやりくりなどプライベートの問題に見えて、実は働き方の問題、私が長時間勤務であることが大変さの原因なのかもしれないと考えました」 その気づきに一役買ったのが、ずっと続けている“書く”こと。 「以前から、その日やったこと、起きたことや結果をただ記録する“行動のログ”と、それに対して思ったこと、考えたことを書く“思考のログ”を取っているんです。書き続けていると『私、毎日のように仕事が終わらないと言っているな』『走りに行く予定だったのにまた行けなかった』などと、不満や問題点が可視化され、俯瞰できるように。だんだんつながりがわかってきて、私個人の問題でなく、“40歳頃に特有の壁”である部分が大きいととらえるようになりました。 私は、取ったログの内容をブログや記事などにアウトプットする際、もう一度まとめ直すので、そのときに気づくことも多いんですね。反響が大きいVoicyも、発信することで聴き手からのフィードバックがあるので、ここで私の中で内省が起こる。成長スピードを上げたいのであれば、書いたことを発信するのはおすすめです。ブログやSNSが怖ければ小さなコミュニティ内でもいい。例えば私のVoicyのコメント欄でだけアウトプットするというユーザーさんもいるので、自分に合った発信方法を探してみても」 “40歳の壁”にぶつかり、あらためて将来について考えたそう。 「もともとは新卒で入った会社を辞めるつもりはなく、60歳まで勤め上げたいと思っていました。でも、そうなると悩みの種になっていた長時間労働が続くし、転勤も視野に入れなくてはならず、育児との両立はいよいよ厳しいと感じるように。また、周りを見ると65歳を越えても働く人がほとんどで、どこかのタイミングで誰しも“第2の職業”を選ばなくてはいけないときがくるんじゃないかと。そう考えると、まだ知力も体力もある40代でキャリアの方向性を変えて、60歳以降も働けるような基盤を作りたいと考えました。 私の場合は、労働時間のこともあったので会社を辞めましたが、退職がすべてではないので、人によっては今の仕事を続けたまま、またはその延長線上で、新たなキャリアに向かうことはできると思います」