【40代の壁を乗り越えるための心得5】“ワーママはるさん”こと、尾石 晴さんも40代に悩んだ?
退職してできることを模索し、仕事と学びを両方選択
壁に立ち向かうのは苦しいことも。50~60代を生きやすくする“筋トレ期間”だと思って!──尾石 晴さん 退職してまず選択したのが、“サバティカルタイム”を取ることだったと言います。 「サバティカルタイムとは“使途を決めない休暇”のこと。欧米企業ではこの制度が設けられていて、目的なく一定期間休む人も多いんですね。自分に何ができるか模索したいと思ったので、私も2年間自主的にサバティカルタイムを取りました。その2年間で、ずっと続けていたヨガのレッスンを深めたり、デリケートゾーン用のケア用品を開発する方法を考えてみたり。興味のあることで、第2の職業につながりそうなことはないかと試行錯誤していました。私のような長期休暇が難しい場合も、例えば『この週末だけは予定を決めずに、自分の興味のあることをやろう』というのも、十分サバティカルタイムになると思います」 そこで気づいたのが、時間を割いていることには、“自分に合う仕事”のヒントが隠れていること。 「私だったら、ヨガは会社員時代からずっと好きで続けていて。仕事にしたいと思ったわけではなく、ただただおもしろくて勉強するようになり、ヨガ講師の資格を取得したんです。また、年間200冊以上の読書をしていることが、今は書くこと、情報発信することにつながっています。誰に頼まれてもいないのに時間を費やしているものは、職業になる可能性を秘めているのかなと感じますね」
現在は文筆業、Voicyパーソナリティ、ヨガ講師、ECショップの運営など数々の活動をしながら、大学院にも在籍。“サバティカルタイム”を経て、学び直しを決めた理由は? 「ヨガに集まる人たちや、私が書いたものを読んでくれる人たちなどさまざまなコミュニティに触れるうち、『なぜここに人が集まってくるんだろう?』と考えるように。そのメカニズムを勉強するほうが、単一の肩書きを極めていくよりも有益なのではと思い、大学院で心理学を専攻することにしました。これが私にとってはとてもよくて、勉強だけだと学問を突き詰めて終わってしまうのですが、半分は仕事もしているので、学んだことをすぐにビジネスに生かせるんです。理論と実務を並行してやっていけるのは、社会人学生の強みだと思います」