8割というのは極めて根拠のある数字

山中：そうですね。Reproduction numberでRですけれども、この新型コロナウイルスは何も対策をしないと2.5くらいだといわれています。例えば僕が感染して、同じ部屋でもし近くでこういう話をすると、首相にもうつしちゃうし、馬場さんにもうつしてしまう。もう0.5人くらいうつしてしまうと。だいたいこのウイルスは5日くらいでうつすといわれていますから、そうすると5日ごとに2.5倍ずつなっていくというのは大変なことになってしまいますから、これは絶対対策が必要で。 　で、今、かなり患者さんが増えましたから、このRを0.5くらいまで抑えたらどんどん患者さんが減っていくということで、2.5を0.5に抑えようとすると、8割、人と人との接触を減らす必要があると。これもう本当に単純な算数。だから8割というのは極めて根拠のある数だと思います。たぶん今もう0.5ぐらいに下がっていると思うんですが、患者さんの数が減るのは退院までの時間がやっぱり2週間とかあるから、もう少し掛かるので、もう少し待たないと医療従事者がもう倒れてしまいます。 　が、そこで退院者がどんどん増えていくと、今度はRを1くらいまで緩めることができると思いますので、2.5を1っていうのは、4割にしたらいいわけですから、今度は6割減になりますから、8割減から比べると6割減ってずいぶん状況変わってくると思いますので、そういう意味で、僕はやっぱりこのRをできるだけリアルタイムに首相に報告するという体制が今一番必要じゃないかな。大阪モデルというのは、結局、今、Rが正確な値が分からないので、陽性率とか1日当たりの感染者の新規のトレースできない数とか、そこから、言ってみたらRを推測していると私は理解しておりますので、ぜひこのRが、ドイツとかもうほぼ毎日ぐらい出していると思いますので、専門家が首相にも毎日報告すると。さあ、安倍首相決めてくださいというそういう体制が日本も必要だと思います。