子どもの不登校は母親の責任? 吐き出せない気持ち…私だってつらい 「駄目人間になる」「甘やかすから」…無理解で理不尽な家族に苦悩
「母親がもっと関わってあげなさい」
長野県松本市の田村桃子さん=40代=は中学3年の娘はるさんの不登校が続く中、実母から「母親がもっと関わってあげなさい」と言葉をかけられた。娘は自分がいないと不安に感じるため、実際には自分が常にそばにいるようにしているのだが…。 【グラフ】急増する不登校 23年度は過去最多に
娘は小2から不登校に
はるさんは小学2年から学校に通えなくなった。周囲の状況に対して敏感で、他人が怒られているところを目にすると心臓がばくばくする。給食を食べることも、水を飲むこともままならなくなった。
学校に行くと泣きわめいて…
当初は車に乗せて学校に送っていったが、車内のあちこちを蹴って嫌がった。学校に着くと、泣きわめくはるさんを教員が車から引き剥がすように連れて行った。そんなはるさんの様子に「これほど嫌がることをさせなくてはいけないのだろうか」と疑問を感じた。病院を受診すると発達障害の一つ「自閉スペクトラム症」と「不安症」と診断された。
娘の状況を信じない夫と義母
はるさんは家では明るくて元気に見える。だから、同居の夫と義母はこうした状況をなかなか信じてくれない。
子どもができて退職
田村さんは元々はフルタイムで働く正社員だった。子どもができると、夫と義母からは育児を優先するように言われたため退職。今は2時間のパート勤務で、1日の収入は2千円ほどだ。
働きたいが…義母から「家で子どもを見ていなさい」
子どもに習い事をさせたり、外出させたりするには収入が少ないと感じる。「自分もまた働き始めたい」と話すと、義母からは「貯金を切り崩せばいい。家で子どもを見ていなさい」と言われる。
夫も「家に母親がいる環境が良い」
夫も「子どもが家に帰ってきたら母親がいる環境が良い」と言う。そんな夫は仕事から帰宅すると自分に「食器が洗えていない」「掃除が行き届いていない」「背広にアイロンがかかっていない」と不満をよく口にする。1日の忙しさを説明すると無視され、「今日の仕事は忙しかった」と話をすり替えられる。
夫と義母から「学校に行かないと駄目人間」
夫と義母は不登校が続く娘に「学校に行かないと駄目な人間になる」「行かないやつは社会不適合者だ」と登校を強く迫ることがある。医師やスクールカウンセラーといった専門家からの言葉を伝えても、聞き流されるのが常だ。