「高校でずっと1位」なのに、現役でまさかの「東大不合格」…彼が抱き続けた東大への未練
■横国に進学後も、東大に対する未練が残る 横浜国立大学に合格した山﨑さんはそのまま1年、大学に通うことにしました。 暇つぶしでセンター試験の問題を解いていたように、東大に対して少し未練もあったそうですが、「もう一度受けよう」と思うほどでもなく、1年生終了の時点ではそのまま卒業しようと考えていたそうです。 しかし、大学生活2年目に突入した山﨑さんは、東大を目指して仮面浪人することを決意します。 そのきっかけは、「理系の勉強に違和感を覚えたこと」と、「東大に行った先輩に再会したこと」の2つでした。
「大学の同期は明確な目的意識を持って理系学部に来ているのに、私は実験やプログラミングの授業についていけず、理系分野では同期に全然敵わないと思ったんです。そう考えていた6月ごろに、偶然母校の文化祭で東大に進学した先輩に再会しました。先輩から『東大生は面白いよ』と聞いて、また興味が湧き、東大の文系学部に行きたくなりました」 大学1年生のときは自覚していなかった心のしこりが表面化した2年生の夏。1年生の冬にセンター試験を解いたことも、「やっぱり(こうして試験を解くのは)落ちたことが悔しかったんだと思う」と振り返ります。
「母親に浪人をしたいと言ったところ、『やらないで後悔するくらいなら、やってみれば』と許してもらえました。もう一度チャレンジしてみて、それでダメなら諦めもつくと思ってくれていたようです。その代わり、『チャンスは1回だけ』『今の学校は休学せずに通う』という2つの条件がありました」 こうして山﨑さんは志望を理科1類から文科3類に変更し、横浜国立大学での仮面浪人生活を始めました。 大学に通いながら、予備校に通わずに浪人するという厳しい状況に加えて、文系への転向という不利な要素も重なった受験でしたが、1年生のときに解いたセンター試験の過去問では8割を記録して学力を維持できていたため、手応えを感じていたようです。