アストロスケールのデブリ除去実証衛星が大型デブリに約15mまで接近成功
アストロスケールの独自ミッションとして50m未満の距離まで接近
対象デブリの周回観測に成功したことを受けて、アストロスケールは同社の独自ミッションとして、ADRAS-Jを対象デブリにさらに接近させる運用を行いました。前述の通りCRD2のフェーズIIでは実際に対象デブリの捕獲を試みることになるため、将来の捕獲運用に備えてその直前までのデータをADRAS-Jで収集しようというわけです。 アストロスケールによると、ADRAS-Jは2024年7月17日に対象デブリから約20mまで接近することに成功。同年11月30日にはPAFを地球に向け続けている対象デブリの下方約15mまで接近し、相対的な距離と姿勢を一定時間維持することに成功しました。2回とも最終的にはデブリとの相対姿勢制御の異常が検出されたため、衝突を回避するためにADRAS-Jが自律的に安全な距離まで退避(アボート)して接近を終えており、対象デブリから離れたADRAS-Jは安全な状態を保っているということです。 別の宇宙機とのランデブーやドッキングを想定していないロケット上段のような物体は接近するだけでもリスクを伴うため、ADRAS-Jにはデブリとの衝突を防ぐための回避機能が備えられています。2024年6月19日に試みられた最初の周回観測に続き、今回の独自ミッションでも衝突回避機能が働いたことで、設計の正しさを改めて確認できたとアストロスケールは述べています。 Source Astroscale - アストロスケールのADRAS-Jが宇宙ごみへの歴史的な15メートル接近を達成
sorae編集部