なんと、まっさきに「衰えてしまう筋」がある…じつは、山に登らない平地民にもオススメしたい、登山トレーニングが「衝撃のお手軽さ」だった
筋トレの種目
図「さまざまな筋力トレーニング」は、登山者向けの筋トレの方法をいくつか示したものです。 スクワット:大四頭筋をはじめ、太もも周辺の筋を強化する運動で、登山者にとって最も重要な種目の一つです。足を肩幅程度に開き、椅子に腰をかけるようにおしりから下ろして、再び伸ばすことを繰り返します。膝の故障を防ぐために、膝と足のつま先の向きとが一致するようにします。また、膝が足のつま先よりも前に出ないようにします。上体起こし:腹筋群を強化する運動で、歩行時の姿勢の安定に寄与します。腰痛の予防にとっても重要です。腰を痛めないように、膝を90度くらいに曲げて行います。また上体を起こすときには、背中を丸めるようにして起こしていきます。図のように腰にクッションを当て、手を前に出して、上体を少し起こした状態で往復運動をするとより安全に行えます。脚起こし:bとは反対に、上体は床につけたまま脚を持ち上げる運動で、深層部にある腹筋群を強化する運動です。腕はやや開いて床面を押さえるようにして、膝を曲げ、円を描くようにゆっくり脚を起こしたり下ろしたりを繰り返します。ランジ:スクワットと同様の効果がありますが、より大きな負荷をかけられます。登山の動作にもより近づきます。胸を張り、背すじをまっすぐに保ちながら、片脚を前方に踏み出します。そして再び元の位置に戻したあと、反対側の脚で踏み出します。これを左右交互に繰り返します。負荷が大きいので、スクワットが楽にできるようになってから行ってください。かかと上げ:ふくらはぎが痙攣したり、筋肉痛になる人はこれを行います。段差につま先を乗せ、手はバランス補助のために壁などにあてて、かかとの上げ下げを繰り返します。それが楽になってきたら、バックパックを背負ったり、片足で行います。手の補助を使わずに行えば、バランスのトレーニングにもなります。体幹エクササイズ:腹筋群や背筋群など、体幹全体の筋を強化し、安定した歩行をするのに役立ちます。膝をついた準備姿勢から、つま先と前腕とを支点として身体を持ち上げて一直線に固定し、しばらくその姿勢を維持します。その様子から、プランク(一枚板)とも呼ばれます。定期的に準備姿勢に戻って、小休止をしながら繰り返します。 ここで挙げたトレーニングを、すべての種目をいきなりはじめるのは、困難なことでしょう。次に、トレーニングを始める際の留意点などをご説明します。