「世帯年収1000万円でも、都内で子持ちなら貧困」は本当か?「出かけるだけで1万~2万円飛ぶ」一家の“リアル収支”に驚いた
そもそも土日はお出かけをせずに家で子どもたちと過ごせばいいと思われがちですが、りかさんの住むマンションは未就学児が元気に走り回れるほど広くありません。また子どもたちのはしゃぐ声や足音が近隣住民に聞こえるため、「静かに遊びなさい!」と叱るのは親子ともにストレスに。こうした居住背景から、土日は可能な限り外に連れ出していると言います。
世帯年収1000万円でも貯金が厳しい現実
教育費に関しては週に一度の習い事しかさせていないため、とりわけ教育にお金を注いでいるわけでもないでしょう。しかし、食費や子どものための娯楽費など、子育てや生活にかかわるちょこちょことした支出が積み重なっていることから「都内だと世帯年収1000万円でもキツイ」と心底感じているようです。 りかさん家族の1か月のおおよその収支は以下の通り。 ――――――――――― 収入(手取り) ・夫:40万円 ・妻:32万円 (夫婦ともにともにボーナスなしの給与体系) ・児童手当:2万円 収入合計:74万円 支出 ・家賃:18万8000円 ・食費:8万円 ・外食費:8万円 ・レジャー娯楽費:4万円 ・保育料(給食費):1万5000円(2人とも満3歳以上のため保育料は無償) ・習い事:1万2000円 ・ベビーシッター代:3万円 ・通信費(携帯代、Wi-Fi):1万5000円 ・水道光熱費:2万3000円 ・医療費、薬代(子どもは医療費無料):1万4000円 ・保険料(学資保険、生命保険等)費:4万6000円 ・交通費:8000円 ・雑費(消耗品、子どもの服やおもちゃ、文房具など):2万円 ・夫お小遣い:4万円 ・妻お小遣い:4万円 支出合計:65万1000円 差分 プラス8万9000円
現実的な厳しさに加えて「金あるでしょ」という偏見もキツイ
こうして見ると10万円弱は貯金に回せているように見えるものの、どちらかの実家に帰省するお盆やお正月には新幹線代含めて出費は大きく増えます。りかさん夫婦は毎月のプラス分は夫婦共有口座に貯金しつつ、「自由に使っていい」という名目で決めたお互いのお小遣いはそれぞれできるだけ貯金に回しているそうです。 「世帯年収1100万円というと、ものすごくお金持ちだと思われて『どうせ金あるんでしょ』という見方をされるのがすごく嫌です。この収入になるために夫婦ともに働いてきましたし、今も仕事はそれなりに大変、さらにたくさん税金で引かれている。やむを得ない出費は多いし、仕事も生活も日々切り詰めながら生きているのに、「楽をしてる」、「ずるい」と思われるのはしんどいですね。 実際にわが家は“世帯年収1000万円”を超えていても、もっとできると思っていた貯金も少ししかできず、これからさらに教育費や生活費がかかるかと思うとかなり厳しいです。お小遣いは夫婦ともに月5万円でしたが、今は4万円になりました。コロナ禍前は家を買おうかと思っていましたが、先行きが不安でこのまま家賃を払い続けることになると思います」(りかさん)