ノーベル文学賞受賞で話題沸騰!なぜ人気?今さらながらの「韓国文学入門」|VERY
これから読みたい人におすすめの本
──これから読みたいという人におすすめの本を教えていただけますか。 韓国の物語の面白さに触れてみたいという人には、『アーモンド』や、『フィフティ・ピープル』はいかがでしょう。俳優の小泉今日子さんもこの二作をお好きだと話していました。結婚や仕事に悩める人に、『仕事の喜びと哀しみ』やエッセイ『女ふたり、暮らしています。』も。「女ふたり~」は、ふたりの女性が、マンションを共同購入して暮らし始める話です。シングルでも恋人同士でも結婚でもない同居生活の姿を見ると、「家族とはこういうもの」という固定概念が変わっていきます。ドラマの登場人物が手にしていたことで話題になる本も多いです。韓国ドラマは放送の際に日本のようなテレビCMが入らないので、話の中で実際の商品を使って広告費を稼ぎます。携帯電話や車はもちろん、ストーリーの展開と関係なく、突然フライドチキンを食べたりするのはそのせいです(笑)。ナ・テジュさんの詩集も、ドラマの中に登場し、アイドルたちがこぞって読んだことで人気沸騰中です。
韓国文学BOOKGUIDE
『フィフティ・ピープル』 チョン・セラン著 斎藤真理子訳(亜紀書房 2,420円)大学病院を舞台に、幸福、別れ、病、死、愛、再生など50人の「主人公」の人生模様がつながっていく連作短編集。痛くて、おかしくて、悲しくて、愛しい。50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。『屋上で会いましょう』『保健室のアン・ウニョン先生』『声をあげます』などで韓国文学をリードする若手女性作家による、物語の楽しさに満ちた作品。
『女ふたり、暮らしています。』 キム・ハナ、 ファン・ソヌ著 清水知佐子訳(CCCメディアハウス 1,650円)元ファッション誌編集者とコピーライター兼文筆家のふたりの共同生活を描くエッセイ。シングルでも結婚でもない、恋人同士でもない。女ふたりと猫4匹の愉快な生活。一人で暮らすことに孤独や不安を感じ始めたふたりは、「情緒的体温の維持」のため、尊敬できて気の合う相手を人生の「パートナー」に選んだ。新しい家族の形を模索するふたりの生活の記録。