高川学園が8強進出…なぜ世界を驚かせた奇想天外な”グルグル円陣FK”が誕生したのか?
島野が敗因をあげれば、江本監督は試合を重ねるたびにたくましさを増す選手たちを見守りながら、自主性が発揮される環境をさらに整えていきたいと前を見すえる。 「選手たちのいろいろなアイデアを尊重して、どんどんリズムに乗らせていきたい」 勝利が自信を膨らませ、ファーストタッチで決勝点をもぎ取った西澤に象徴されるラッキーボーイも誕生させる。チーム内に力強く脈打つ好循環は、桐光学園(神奈川)と等々力陸上競技場で対峙する、4日の準々決勝へ確実につながっていく。 キャプテンのMF北健志郎(3年)がチーム全員の思いを代弁した。 「次も厳しい戦いになりますけど、チームがひとつになれば絶対に勝てると思う」 山口県勢としての最高位は高川学園が2007年度に、前校名の多々良学園が2005年度に戦ったベスト4の舞台となっている。歴史に追いつき、そして追い越すために、柔軟性あふれるイマジネーションをさらにフル稼働させて大一番を待つ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)