なぜU-21代表主将の藤田譲瑠チマは4連勝で首位キープの横浜F・マリノスの中で存在感を示すことができているのか?
グループリーグを2位で突破し、準々決勝ではU-23韓国代表に3-0で快勝したが、準決勝では開催国のU-23ウズベキスタン代表に完敗。懸命に気持ちを切り替えて、中1日で行われたU-23オーストラリア代表との3位決定戦を制した。 6試合中で先発フル出場したのが4度。残り2試合も途中出場と、すべての試合でピッチに立った藤田は「ウズベキスタンで何か成長したか、と言われるとわからないんですけど」と苦笑しながら、過酷な大会をへて変わった点をあげた。 「自分のなかで自信につながる期間だったので、それを今日、Jリーグの舞台で出せたのはすごくよかったと思っています。フライトが長く、少し疲労も感じていたので、しっかりと休息と食事を取るところを心がけていました」 代表の戦いを終えた瞬間に、帰国から中3日で待つ柏戦を見すえて心身のコンディションを整えた。 柏戦がキックオフされた午後4時の気温が30.6度。過酷な条件下でフル出場した藤田の総走行距離は、両チームを通じて最長の10.886kmを記録した。 「暑かったですけど、今日以上に暑いところで、ベトナムやウズベキスタンで合計して1ヵ月ぐらい過ごしていたので、自分はそんなに感じることはなかったです」 AFC・U-23アジアカップだけでなく、4月中旬からベトナムで集中開催されたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の経験も生きていると笑った藤田は、後半35分からは右サイドバックでプレー。果敢な攻撃参加を仕掛けている。 「プロになってから右サイドバックでプレーするのは初めてだったんですけど、点差もあったので、思い切って自分のできることをやろうと。ボランチでプレーしているときは2人ともそれほど前へ行く感じではなかったので、右サイドバックでは最後の力を出し切って、点に絡めたらいいなと思って前へ出ました」 ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた藤田は、中学進学と同時に東京ヴェルディのジュニアユースへ加入。ユースに所属していた2019シーズンにトップチームへ2種登録され、J2リーグ戦で4試合に出場した。 ヴェルディでプロになった2020シーズンは、コロナ禍による長期中断で過密スケジュールになったJ2リーグ戦で、42試合中で実に41試合に出場。プレー時間もチーム内で3番目に多い3230分をマークするなど一気にブレークした。