暴走か?審判制度への一石か?J1神戸・三木谷会長の柏戦のPK判定を巡る連夜の怒りのツイートにファンも賛否
J1リーグ戦で最下位にあえぐヴィッセル神戸の三木谷浩史会長(57)が、19日夜に自身のツイッター(@hmikitani)を立て続けに更新。1-3で逆転負けを喫した前日18日の柏レイソル戦で、決勝点となったPKをめぐる主審の判定に対して「今回は、徹底的にやらせてもらう」と宣言した。試合中から不満を募らせ、試合後にはJリーグへ抗議文を提出すると明かしていた三木谷会長だが、一日がたっても怒りが収まるどころかむしろ暴走気味になっている。
「日本は審判批判はいけないという風土があるがそれは違う」
丸一日がたっても三木谷会長の怒りは収まっていなかった。 前夜に怒気が込められた投稿を3連投した自身のツイッターを、おもむろに更新したのは19日午後9時33分だった。文末を「今回は、徹底的にやらせてもらう」で締めるつぶやきには、柏戦を裁いた審判団への怒りが依然として反映されていた。 「結局、日本は審判批判はいけないという風土があるが、俺はそれは違うと思う。人間だから、ミスもあるだろう。うちに有利に働いたこともあるだろう。ただ、それに物申すなということが日本の審判のクオリティが進化しない原因だ」(原文ママ) 三木谷会長が問題視する判定は1-1で迎えた前半41分に訪れた。 ペナルティーエリア内の左角あたりで、こぼれ球に対して神戸のDF菊池流帆(25)と柏のMF戸嶋祥郎(26)が激しく詰め寄った。菊池の右足が先にボールに触ったかに見えた直後に戸嶋が左足を抱えて倒れ込み、佐藤隆治主審(45)の笛が鳴り響いた。 当初はペナルティーエリアのわずか外で柏に直接フリーキックが与えられ、菊池にはイエローカードが提示された。しかし、直後にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入。佐藤主審がピッチ脇に設置されたモニター越しに映像で確認するオン・フィールド・レビューが実施された結果、判定がPKへと変更された。 これをMFマテウス・サヴィオ(25)に決められた神戸は、後半にも1点を追加されて敗れた。試合中に「あれがファール。。。」や「いくらなんでも酷すぎると思う」とつぶやいていた三木谷会長は、試合後には「正式にJ Leagueに抗議文を提出します。VARを見て、どうしてこの判断になるのか、意味が不明だ」と投稿していた。 ラフプレーが宣告された場面では、表面をかすめる形だったものの、確かに菊池の右足が先にボールに触れている。しかし、ボールをクリアし損ねた菊池の右足のスパイク、それも裏の部分が直後に戸嶋の左足のすねに入ってしまった。 三木谷会長はこの場面を取り上げ、6分後の午後9時39分に再びつぶやいた。 「そして空振った足の踵がボールに先にあたっているようにしか、俺には見えない。違うなら映像を見せてほしい」(同) ここで三木谷会長の明らかな事実誤認がある。 先にボールに触ろうが、相手選手に怪我を負わせるリスクが生じる状態、ここでは菊池のスパイクの裏が戸嶋の左足に向かった時点でラフプレーの対象となる。だからこそ佐藤主審は、菊池と戸嶋の接触があった直後にホイッスルを鳴らした。 VARはペナルティーエリアの中なのか、あるいは外なのかを確認する必要があるとして介入した可能性が大きい。もちろんオン・フィールド・レビューの際には、得点につながる重要な場面だったゆえに、ラフプレーの有無もあらためて確認されたはずだ。