開店前から50人が並ぶ行列店、創業70年超の老舗も!官僚が推す「函館塩ラーメン」の名店4軒
スープの素材は、豚骨、鶏ガラなどの動物系素材が中心。豚よりも鶏の存在感を相対的に前面へと押し出した味わいは、豚か昆布のいずれかのうま味を強調する傾向が目立つ「函館塩ラーメン」の中では、かなりレア。 心持ち柔らかめに茹で上げられた中太麺は、地元・函館の名門製麺所「日の出製麺」製。スープを過不足なく巻き取り、口元へと運び込むさまに、無上の頼もしさを感じた。 ここまで手間ひまをかけて紡がれた1杯が、高々650円で食べられる。「ベイエリア」観光と合わせて、ぜひ立ち寄っていただきたい優良店だ。 福々亭 住所:函館市大町8-15 営業:11:00~18:30 定休:日曜
名店④ 函館の温泉地に構える人気店「maido」
最後に紹介するのは「maido」。同店は、北海道3大温泉郷のひとつに数えられる名湯「湯の川温泉」を擁する湯の川エリアに軒を構える人気店である。 オープンは、2013年11月。創業数十年クラスの老舗がひしめく函館においては、かなり新参の部類に属するが、その人気ぶりは、諸先輩方に勝るとも劣らず。 私が訪問したときも、カウンター席はもちろん、テーブル席や小上がり席も満席状態で、わざわざ外国から同店へと足を運ばれた方もいるほどの活況を呈していた。
そんな「maido」が現在提供する麺メニューは、「塩らーめん」「黒しおらーめん」「醤油らーめん」「味噌らーめん」「担々麺」など。 「担々麺」のレベルの高さにも定評があるが、初訪問時に食べるなら、やはり「塩らーめん」。店側も「塩らーめん」を看板メニューとして推しているので、間違いないところだろう。
鶏ガラを長時間かけて弱火で炊き上げ、素材の持ち味を徹底的に引き出したスープは、永遠にすすり続けていたくなるほど深遠なコクと豊かな滋味が鮮烈な印象を刻む、会心の出来映え。塩ダレのエッジもキリリと立ち、食べ進めるにつれて、体感的なうま味が右肩上がりに伸び上がるのも、この1杯の特筆すべき魅力だ。 このスープとタッグを組むのは、美しい黄色を呈した中細縮れ玉子麺。スープの持ち上げも申し分なく、気が付けば、丼が空っぽになっていた。 オーセンティックな「函館塩ラーメン」を、その持ち味を損ねることなく、タレの訴求力強化を図るなどして、現代風の味わいへとブラッシュアップさせた逸品。 この1杯を食してから、名湯「湯の川温泉」をゆっくりと堪能するのも、一興ではないだろうか。 maido 住所: 函館市湯川町1-26-34 営業:11:30~14:30/17:00~20:00(月曜は昼営業のみ) 定休:火曜 田中一明=写真・文 池田裕美=編集
OCEANS編集部