開店前から50人が並ぶ行列店、創業70年超の老舗も!官僚が推す「函館塩ラーメン」の名店4軒
古き良き老舗ラーメンの宝庫!
このような土地柄だったこともあり、同地のラーメンシーンは、「エビス軒(1929年創業)」「あじさい(1932年創業)」「滋養軒(1947年創業)」「鳳蘭(1950年創業)」「星龍軒(1951年創業)」など、創業半世紀を優に超える老舗の宝庫。古き良き昭和のラーメンを愛する人々の桃源郷として知られてきた。 ところが、2010年代後半に入って、店主の高齢化等に伴う老舗の閉店が相次ぎ、ここ数年で、上記5軒のうち、「星龍軒」と「エビス軒」が、その長い営業の歴史に幕を下ろす事態に陥った。それ以外にも、函館朝市に店舗を構えていた実力店「かもめ」や人気店「マメさん」なども店を畳み、貴重な老舗がいつ閉店しても不思議ではない状況だ。 函館市街は、大きく「駅前エリア」「ベイエリア」「五稜郭エリア」「湯の川エリア」の4つのゾーンに分かれ、各ゾーンに優良店が点在する。今回は、なるべく区域を分けて、計4軒の優良店を紹介したい。
名店① 函館代表・開店と同時に売り切れもある「滋養軒」
まず、最初に紹介するのは「滋養軒」。 名実ともに函館を代表する実力店であり、「星龍軒」なきあと、「函館でラーメンが1杯しか食べられないのなら、迷わず『滋養軒』に向かえ」と言われるほどの必訪店。いくら函館のほかの店を訪問していても、「滋養軒」が未訪なら「函館塩ラーメン」を知ったことにならない。それほど、函館ラーメンシーンにおいて重要な位置づけを担うのが同店だ。 店舗の場所は、JR函館駅、市電函館駅前停留場から徒歩5分弱。至便な立地だが、知名度が全国に鳴り響く実力店であることに加え、前述した駅前に店舗を構えていたほかの名店が立て続けに閉店してしまったことから、現在は、客足が同店へと集中。
休日などは、至高の1杯を求めて開店前から50名を超える客が詰めかけ、11時半の開店と同時に「売り切れ宣告」が出されるほど驚異的な人気ぶりを誇る。 ちなみに私は、11時15分に店前に到着したが、ラーメンを食べて店をあとにするまでに2時間弱の時間を要した。函館観光の時間を確保したいのであれば、開店する1時間前には、店前でスタンバっておくことを強くおすすめしたい。