夕食に避けたほうがいい食品は?「夜間頻尿」の原因やマグネシウムを摂るなどの対策を医師が解説
トイレのために夜中に目が覚めることが多いと、睡眠不足につながり、生活の質にも影響してしまう。「夜間頻尿は病気や加齢だけでなく、生活習慣が原因のこともあります」と話す医師の木村眞樹子さんに、夜間頻尿の原因や対策のための食事や漢方薬について教えてもらった。
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夜間頻尿の原因
夜間頻尿とは、就寝後に1回以上トイレのために起きなければならない状態のことです。夜間頻尿の主な原因には夜間多尿や冷え、膀胱容量の減少が考えられます。なお、年齢とともに夜間のトイレ回数は増加する傾向にあり、生活に支障がない場合は1回までは正常とされることもあります。 ◆夜間多尿 夜間多尿とは、1日の総尿量の3分の1以上が夜間に排出されている状態です。通常、夜間は抗利尿ホルモンの働きで尿量が減ります。しかし、夜間多尿は尿量が減少しないため、トイレに行く必要が生じ、夜間頻尿につながります。 夜間多尿の主な原因は、寝る前の水分の過剰摂取や抗利尿ホルモンの分泌量の低下、薬の副作用などです。むくみ、疲れやすい、動悸、息切れなどの症状があるときは、慢性腎炎や慢性腎不全、糖尿病、高血圧などの病気によって夜間多尿が起きている可能性があります。 ◆体の冷え 冷えにより血流が滞ると、起きている間は下半身に水分がたまりやすくなります。就寝時に横になることで下半身に溜まっていた血液や水分が流れやすくなり、水分が血管に入ります。この余分な水分を排出するために尿量が増加するのです。 加齢による筋肉量の低下や更年期のホルモンバランスの変化による自律神経の乱れは冷えにつながるため、40~50代の女性は夜間頻尿に悩みやすい傾向にあります。 また、冷たいものを飲みすぎる、湯船に浸からないなどの生活習慣が冷えの原因となっていることもあります。 ◆膀胱容量の減少 日中もトイレの回数が増えている場合、膀胱容量の減少が夜間頻尿の原因かもしれません。加齢に伴い膀胱筋肉の筋力が低下すると、膀胱容量が減少して夜間頻尿につながります。 また、過活動膀胱になっている場合、膀胱が過敏になり少量の尿でも尿意を感じたり膀胱が勝手に収縮したりして少量の尿しか膀胱にためられなくなっている状態です。 過活動膀胱は、脳卒中や脳梗塞、パーキンソン病、脊髄損傷などの脳や神経の障害によって起こることがあります。更年期の女性の場合、エストロゲンの分泌量の減少による骨盤底筋の衰えによって、過活動膀胱になっていることもあります。