あんなマルタ、こんなマルタ、ちょっと意外なマルタの姿
あのハリウッド超大作のロケ地は…? 今冬一番の大作映画がリドリー・スコット監督『グラディエーター 2』。2000年のアカデミー作品賞受賞作の続編として公開され、話題を呼んでいます。 そんな『グラディエーター』シリーズは、マルタと深い繋がりがあります。見てみると、あれ、なんだか見慣れた風景が! そう、野外シーンの多くがマルタで撮影されているんです。 『グラディエーター』に限らず、マルタは映画のロケ地として有名です。マルタの映画産業の歴史は1920年代にまで遡りますが、有名なものを挙げると『007/私を愛したスパイ』、実写版『ポパイ』(ロケ跡地は今ではポパイ・ビレッジとして人気の観光地になっています)、『トロイ』、『ダ・ヴィンチ・コード』、『ワールド・ウォーZ』、ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』などなど。特に21世紀に入ってから、マルタ政府は映画の誘致により一層力を入れているようです。 映画制作の関係者にとって、マルタは絶好のロケ地。なぜなら *中世の古い街並みがそのまま残っている *年間300日晴れているので、撮影スケジュールが天候に左右されにくい *撮影場所を貸し切るための費用が比較的安い *ヨーロッパ諸国からのアクセスが良い *海や船のシーンの撮影に適した大きな映画スタジオがある からなんです。2023年末に『グラディエーター 2』が撮影された時は、多くのマルタ在住者がエキストラとして参加し、またスタジオが一般公開されたことで大盛りあがりでした。
ヨーロッパで一番リベラルな国? マルタは地理的・文化的にイタリアに近いこともあり、宗教はカトリックが主流です。マルタには約365の教会があると言われており、これは1k㎡あたり1つ以上の教会が存在する計算になります。 保守的な印象が強いカトリックの国ですが、そんなイメージとは対象的に、マルタはヨーロッパで最もリベラルな国だと言われることがあります。 税率の低さと経済自由度の高さから、ヨーロッパに一番近いタックスヘイブンとなっているところは良く知られています。仮想通貨やアイゲーミング事業を積極的に誘致し、国際的なカジノライセンスの発行も実施。2021年にはEUで初めて、国単位で嗜好用大麻の所持と栽培を合法化したことも話題になりました。 また、LGBTに対して寛容な国としても知られています。マルタはヨーロッパの『レインボーマップ』において、9年連続1位を獲得。性的少数者に対する理解、インクルージョン、そして差別の排除が欧州一進んだ国として、高い評価を受けています。 ちなみに2023年のユーロプライドイベントはマルタが開催国に。人気歌手クリスティーナ・アギレラが無料コンサートを実施したこともあり、大盛り上がりだったようです。
おわりに マルタってどんな国? と聞かれて、思いつく内容はまだまだたくさんあります。日本人以上に(?)花火が大好きなお国柄だったり、世界最古の宗教的建造物があったり……これは、またいつかの機会に。 私もマルタ滞在はまだ3年目。これからもっと意外なマルタの姿を発見していくのが楽しみです。
Nina