2024年に見たい海外の展覧会22選。オノ・ヨーコ、アンゼルム・キーファーの個展から、ヴェネチア・ビエンナーレ、女性や黒人に焦点を当てた企画展まで
◎ヨーロッパ第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(イタリア)
イタリアの都市ヴェネチアの市内各所を舞台に1895年から続く芸術の祭典。第60回となる今年は、メイン展示のキュレーターをアドリアーノ・ペドロサが務め、テーマは「Stranieri Ovunque / Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」。2000年代初頭に人種差別と闘ったトリノのコレクティヴの名前に由来するもので、移民をはじめとする外国人、ディアスポラ、亡命者、難民、なかでも南半球と北半球を行き来するアーティストにフォーカスするという。昨今の排他的なナショナリズムが台頭する世界各地の情勢や移民問題に言及するであろう本展が、ウクライナやパレスチナの情勢を踏まえどのような展示を展開するかに注目だ。 また各国のパビリオン展示も行われ、日本館代表には毛利悠子が選出されている。 会期:4月20日~11月24日 会場:イタリア、ヴェネチア各所
Anselm Kiefer(ストロッツィ宮殿、イタリア、フィレンツェ)
20世紀および21世紀美術の巨匠、アンゼルム・キーファーの大規模な展覧会が開催される。絵画、彫刻、インスタレーションを通して、記憶、神話、戦争、存在をテーマにした衝撃的な作品群が、ルネッサンス建築であるストロッツィ宮殿とどんなユニークな対話を繰り広げることになるだろう。歴史的作品に加えて新作発表も。 会期:3月22日~7月21日 会場:ストロッツィ宮殿
Hilma af Klint and Wassily Kandinsky Dreams of the Future(ノルトライン=ヴェストファーレン20世紀美術館、ドイツ、デュッセルドルフ)
バウハウスで教鞭をとり、抽象絵画の創始者灯されるロシアの画家ワシリー・カンディンスキー(1866~1944)と、当時の女性としては珍しい職業画家スウェーデンのヒルマ・アフ・クリント(1862~1944)の作品が一堂に会する。ほぼ同時代に生きたアフ・クリントとカンディンスキーは、抽象画という新しい絵画スタイルを追求した。両者の絵画や水彩画、デッサンを見比べられる、またとない機会となるだろう。 会期:5月16日~8月11日 会場:ノルトライン=ヴェストファーレン20世紀美術館