下げたけど…金融のプロが注目!歴史的暴落を乗り越え逆行高する好業績「中小型株」とは??
〝令和のブラックマンデー〟となった8月5日、日経平均株価は4451円28銭安の過去最大の下げ幅を記録した。ひと月前には、史上最高値を更新したばかりで、まるでジェットコースターのような急落となった。その後、相場は順調に戻しているようにみえるが、ここから個人投資家はどんな銘柄に投資すべきなのか。金融ジャーナリストの岡村友哉氏に聞いた。 【実銘柄公開】実はNISAでも「金(ゴールド)」が買える! 価格上昇が止まらない「金」に賢く投資 ◇岡村 友哉(おかむら・ゆうや) 金融ジャーナリスト 【PROFILE】 1980年、広島県生まれ。大手証券会社、投資情報会社を経て’10年11月に独立。経済専門番組のキャスターのほか、マネー誌、各種セミナー講師として活動している。 ◆「なぜここまで?」……歴史的な下落の背景には「円キャリートレード」 日経平均株価は、8月2日に値下がり幅で歴代3位の2217円安(下落率5.8%)、その翌営業日である5日に歴代1位の4451円安(下落率12.4%)を記録しました。 日銀が追加利上げをしましたが、たった0.15%。会合後の会見で植田日銀総裁がタカ派姿勢を示したとはいえ、東日本大震災後や新型コロナの世界的流行後を想起させる暴落劇には、「なぜここまで?」という感を抱いた投資家が大半ではないでしょうか。 その後の戻りの速さにも驚きました。日銀の内田副総裁の〝火消し発言〟も材料になりましたが、改めてドル円相場と日本株の関係性の強さ(円安なら株高/円高なら株安)を痛感しましたし、その背後にあった「円キャリートレード」の存在の大きさを再認識させられました。 今回、円キャリートレードの解消(巻き戻し)が超速で進行し、これが下落の“震源地”であることを早い段階で市場が見抜いたことが大きかったようです。円キャリートレードの解消が進めば売り圧力は減少するというわけですが、これは重要なポイントなので、さらに詳しく解説します。 ◆市場を揺るがした「円キャリートレード」とは 大きな相場のうねりが超速で起きた背景には、巨額の資金を世界中のマーケットで運用しているグローバルな機関投資家のポジションの偏りの存在がありました。その中でも、より日本株へ影響が大きかったのは「円キャリートレード」の偏りでした。 円キャリートレードとは、低金利の円を借り入れて、ドルなどの高金利通貨に換えて運用することで、金利差による収益を得ることを狙った取引です。 基本的に、投資家は「円売り・ドル買い」のポジションを持つため、この取引が増加すると為替市場では円安圧力が強まり、これまでの円安の原動力となっていました。 しかし、7月31日に日銀が追加利上げをした直後から、日米の金利差が予想よりも早期に縮小するという見方が浮上。 円キャリートレードを仕掛けていた投資家は、あわてて「円売り・ドル買い」ポジションの解消に動きました。それが為替市場では、大規模な「ドル売り・円買い」となり、恐ろしいほどのスピードで円高が進行しました。