異例?!両チームが「勝ちに等しい引き分け」ってある?横浜DeNAとソフトバンクの“セパ格差対決”は1ー1のドロー
横浜DeNAが2日、横浜スタジアムで行われた交流戦のソフトバンク戦を1-1で引き分けた。プロ未勝利の育成出身の先発、中川虎大が6回を1失点に抑える好投。バックもファインプレーの連続で盛り立て、山崎康晃、三嶋一輝が無失点でつないだが、一方のソフトバンクも復帰2戦目の東浜巨が6回1失点。こちらも無失点リレーで横浜DeNAの反撃を許さなかった。”セパ格差対決”の決着は意外にも第3戦にもつれこんだ。
育成出身の中川虎大が6回1失点力投
異例と言ってもいい。 ひとことで引き分けと言っても、「負けに等しい引き分け」と「勝ちに等しい引き分け」があり、その内容は明暗を分けるものだ。しかし、1-1のドローに終わったセ最下位の横浜DeNAとパ首位のソフトバンクの“セパ格差対決”は、両チームの指揮官が共に「勝ちに等しい」と評価する引き分けとなった。 横浜DeNAの先発、中川は6回90球を投げ4安打3奪三振3四球1失点。7回エスコバー、8回山崎、9回三嶋とリリーフ陣も、無失点リレーでソフトバンクの反撃を許さなかった。 一方のソフトバンクの先発、東浜も6回101球を投げ6安打3奪三振3四球1失点。こちらも7回津森、8回は、先頭の左打者佐野に対してワンポイントで嘉弥真をぶつけてスイングアウトに仕留めると、4番のオースティンからは坂東にスイッチ。9回は岩嵜が3人でクローズするという内容で横浜DeNA打線を沈黙させた。 三浦監督が、「先発の中川がソフトバンク打線に向かっていき攻めた投球をしてくれた。大きな投球になった。もう1点が遠かったが、(試合)内容は悪くない。(この引き分けを)どうつなげていくか。先発がゲームを作ればこういう戦いができる」と総括すれば、一方の工藤監督も東浜とリリーフ陣の好投を評価した。報道によれば「いい引き分けだった」とコメントを残している。 本当に両チーム共に「収穫のある引き分け」だったのか。 ソフトバンクに詳しい元阪神、ダイエー、ヤクルトの評論家、池田親興氏は、「打線は水物。ゲームマネジメントをできるのは投手陣だから、その点から見れば、両チームともに収穫はあった。特にソフトバンクは、モイネロ、デスパイネの2人のキューバ勢が東京五輪米大陸予選出場で不在、グラシアルが怪我という状況であることを考慮すれば、なおさら勝ちに等しい引き分けと評価していいのかもしれない」という見方をしている。 横浜DeNAの先発、中川は箕島高出身の2017年育成ドラフト1位の右腕。虎大の名前は「こお」と呼び、タイガースファンの父がつけた。昨年ファームの監督を務めていた三浦監督の秘蔵っ子でもある。 プロ初勝利は、残念ながら、お預けとなったが、“番長”は、その投球内容とメンタル面を絶賛した。 「非常に良かった。ボールに力があった。腕も振れて最初から最後まで思い切って攻めた。打たれたくないという気持ちより抑えてやろうという気持ちが強かった」